提案『川遊びの薦め』

夏休みに入ったばかりですが今年は何をしようかと考えあぐねておれらる方も多いのではないでしょうか。本来なら国内外旅行へと旅立つ方も多いシーズンですが、やはり今年も難しく県内に留まるご家庭も多いようです。

しかし人との距離を十分に取り夏休みを謳歌する経験は、子供にとりとても重要な発達の促しであり大きく成長するチャンスでもあるのです。今回は前週の磯遊びに続いて『川遊び』を提案していきます。

ここ沖縄では海のみならず川遊びもアウトドア派好きの間では盛んなようです。常々子供の成長に大事なものは五感をフルに活用することと話していますが、川遊びも五感を働かせて行うことが様々な効果を齎してくれます。川遊びにおける五感をキーワードにして話を進めます。

1、視覚

川はいろいろな表情を持っており岩清水からスタートし、上流はいくつもの小さなせせらぎが集まり静かな流れを有して中流そして下流へと流れていきます。その様子を見るだけでも大きな刺激がありますが、水面をじっと見て生き物を探すこと、そして水中眼鏡や箱メガネを使用し水中を覗くことをお勧めします。我が家では虫かごを2つ用意し1つは捕獲した生き物を入れる容器として、もう一つは箱メガネの代用として使用していました。水の中を覗くという経験は水面を見る見え方と異なるためあたかも水中にいる様な臨場感が味わえます。


2、聴覚

川辺りに腰を下ろして耳を澄ましているといろいろな音が耳飛び込んできます。

川のせせらぎの他に虫や鳥のさえずり、風の吹く音や植物の揺れる音、川が有する滝の流れ落ちる音も耳にすることができます。小さな水音に始まり全ての音を掻き消すような滝の流れ落ちる音は圧巻です。日常では耳にすることができない水の音に耳を傾けて無になる瞬間もこれまたリラックスできる良い時間を持つことができます。生後9ヶ月から11ヶ月の乳児をお持ちの場合には経験する機会があれば堪能させてほしいと思います。


3、触覚

川遊びの最大の魅力は何といっても生き物との触れ合いです。静かに川を観察することもいいのですが、マリンシューズを履いて川底の石を軽く蹴ったり叩いてみたり、川底を少し混ぜてみると隠れていた生き物が姿を現したりします。また手で石を退けて生き物を探し捕まえてみましょう。捕獲し観察した後は必ず川に戻すことを約束しておくことも生態系を維持することであると教えておきます。

しかし川遊びの魅力は生きものだけに焦点を当てる必要はありません。川岸にある石の大きさや色形を観察したり、そこに流れついている流木で何か工夫をして作ってみたり、川岸の植物や川底の藻や水草などに焦点を当てて調べてみても良いでしょう。また友達や家族とのコミュニケーションも深めることができ川の楽しみ方はいろいろあっていいと思います。

4、思い出作り

我が家にも川遊びの思い出はいろいろありますがその時その場所で異なります。

北海道のカムイの森公園での江丹別川でヤマメ発見したこと、東村のキャンプ場でテナガエビを大量に捕まえたり、その他福岡の柳川、京都の保津川、熊本の球磨川、安曇野大町、白川郷の川下りと川の流れを体験することもしました。上流から下流に向けて川の流れがどのように変化し、風景や景色がどう変わるのか自然環境の変化を楽しめるのも日本独特の地形の恩恵にあるのです。子供がどう感じているかは分かりませんが、子供の頃を懐かしむことで愛されていたことをいつの日か懐かしんでほしいと願っています。

私の世代だとまだまだ身近に自然があり祖父母の家の近くの川でエビを捕まえて過ごした経験が思い出されます。母の誕生を祝って祖父が植えた銀杏の木をくぐり、青々としたその銀杏の葉を手になだらかな小道を抜けて辿り着く清涼感ある川辺の遊びは心に刻まれた思い出です。そして井上陽水の『少年時代』が小さな生き物を探す胸の高まりや父が教えてくれた手の水鉄砲遊びに興じたあの懐かしい川のほとりへとタイムスリップさせてくれるのです。私のように何十年も経って子供の頃を回想させてくれる親でありたいと子供にも多くの経験を積ませようと心掛けてきました。是非子供が小さい頃にこのような経験をさせて様々な発見をする機会を設けてほしいと思います。

さて最後に安全面について記しておきます。

今から5、6年前だったように記憶していますが、大宜味村の平南川増水で米軍関係者が川遊びをしていて急激な増水で幼児を含む18人が川に取り残されレスキューされたニュースがありました。川遊びは当日だけでなく2、3日前から雨が降った場合は実行しないというのがお決まりです。また下流に雨が降っていなくても上流に雨が降った場合は中止ということになります。これは急激に増水する川の水、地盤が緩んでいると鉄砲水も考えられるからです。

また基本水深が膝上以上だと川にの入らないということが鉄則ですが、膝下でも場所によっては急激に深くなることもあるので必ず調べておくことが重要です。以前子供達に川遊びをさせようと計画し、前日に下見に行くと道すがらやけど虫や山蛭を見かけたので中止にしました。川遊びをする時には行く場所をピンポイントに見るのではなく、川の上流やその周辺から遊ぶ場所までを総合的に判断して実行することが重要です。

また川についてからも聞きなれない音や急激に水が減少する場合、急激に葉や木の枝が流されてくる場合の異変にも注意し退避することが危険から身を守ることになります。

以上のことに注意し川遊びを堪能してはいかがでしょうか。

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