スナップ『母と子の同調の重要性』

これまでの経験からお母様とお子さんに接しているとさまざまな親子関係を目にします。とても上手くいっている関係もあれば、上手く歯車が噛み合っていないこともあります。両者の差は何かと問われれば間違いなく乳児からの母子の絆作りが関係しています。今回はお座りができる様になった幼き生徒さんとお母様との関係を1つの視点から見ていくことにします。

最初の写真はお母様と幼き生徒さんがアイコンタクトを交わし、日頃から心を通わせていることがわかるショットです。お母様の語り掛けに耳を澄まし、次に起こるアクションをじっと待っています。乳児にとってこのような場面が多くのことを学ぶ機会なのです。その1つが傾聴です。

この時期に獲得した傾聴はこれから先成長するにあたってとても重要な能力になります。人の話に耳を傾けるということは、人から受ける刺激が多くなり様々なことを学ぶ機会がぐんと増えます。また人とのコミュニケーション能力が高くなるため協調性も育ちます。何より情緒的に落ち着いた子供に成長します。

一方傾聴が上手く育っていないとあらゆる点で大きく成長する機会を損じてしまいます。例えば幼稚園や就学後の聞き漏らしが出て取得すべきことの伸び悩みがあったり、何かを教えてもらう場合自分自身の思い通りにしたいため感情コントロールができなくなったりと情緒的に感情の起伏が激しくなることもあります。

傾聴を獲得するための重要な働き掛けは母子のアイコンタクトの交わしです。お母様がどのようなアクションを起こすのかをじっくりと見て、何を話すのかを聞こうとし、互いにコミュニケーションを取ることなのです。

お母様の話し掛けに耳を傾けることができるようになった乳児には、次のステップとして『真似っこ』の働きかけを行います。写真のようにお母様が「ばんざい」と手を挙げる様子を辛抱強く見せてあげることで、ただ見ていた乳児がやがて自分自身も手を挙げる様になります。これが母子の同調です。母と子が調子を合わせるという一体化は私たち大人が考えている以上に意味深いもので、人と歩調を合わせるとだけではなく、人を待つ辛抱強さや人を受け入れたり認めたり時には人を許すことも生まれ他者を受け入れる心の広さに関係します。もうお分かりだと思いますが、この母子の同調は社会性に直結することばかりなのです。

3枚目の写真では、母子の同調をしっかりとできた幼き生徒さんでも写真を撮っている私の存在を確認して、その同調をしっかりと私に分け与えることを行ってくれました。それは小さな社会性の育ちがすでに芽生えている証なのです。しかしこの小さな社会性はどの子もこの年齢期に獲得できるものではありません。お母様の努力とお子様との関わり合いあっての獲得なのです。

生後5ヶ月ごろから多くの人との関わりを持たせることが望ましい乳児期の発達ですが、コロナ禍で多くの方と子供が接することが難しい現実があります。がしかしそのような環境下でも親子関係がしっかりと構築され、心が満たされている子供は着実な成長の歩みを進めています。写真の親子さんは素敵な同調の歩みをされておられ、私もほっこりと毎回温かなギフトを受け取らせていただいています。

子供は3歳までに一生分の親孝行をすると言われています。その親孝行とは私たち大人がほっこりと笑顔になれる瞬間だそうです。その瞬間を多くのお母様が我が子を通して心豊かになれることを願っています。


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