絵本『がたごと ばん たん』

イギリスの作家バット・ハッチンス氏の作品です。『おまたせクッキー』や『ベーコン わすれちゃだめよ』『ロージーのおさんぽ』で知られたハッチンス氏の作品は明るさのある絵とクスッと笑えるオチや面白さが好きで新刊が出ると必ず手にしたくなる作家です。

今週のブログテーマは『収穫』ということでこの作品を取り上げてみました。

おじいちゃんと孫息子が畑に実る野菜や果物を収穫に出かけます。おじいさんの押す手押し車に孫が乗り、「がたごと ばん たん」の擬音で進んでいくリズム音が心地よく小さな子供も楽しめます。飼っている赤いめんどりがその二人の後を追いかけてきます。

そのめんどり孫息子は収穫している様子を「ぼくは こんなこともできるんだよ」と自慢する様子がとても愛らしい作品です。成功体験を積んできた子供たちに見受けられる『ぼく、わたしこんなこともできる』という発達をうまく表現している場面です。

野菜や果物が畑で育っているありのままの姿の他に、地面の中の根っこの様子も描かれこのように身をつけるのかと学びながら楽しむことができる絵本です。何より楽しく畑の中を移動しているかのように「がたごと ばん たん進んでいくと」という繰り返しの文章の文字が動いているように刷り字になっているのもバット・ハッチンス氏の演出です。

と登場するヨーロッパなどの野菜や果物は一昔前までは馴染みのないものでしたが、最近では日本でも作られるようになって、この絵本に登場する野菜に馴染みのある子も出てくるようになりました。表紙の最後には登場した野菜名が記されているのも粋な計らいです。

図鑑ではない手軽に読むことができるこの絵本から足がかりに植物への関心を広げることができる作品です。

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