提案『人体を知ることの薦め』

人体について興味を持つお子さんの特徴として家庭環境からその関心ごとが生まれている傾向が強いように思います。例えばご家族の中に医療従事者がおられる、又はご家族で病気や怪我、不自由さを抱えておられる方がおられる、そして子供自身が小児科や歯科の診察を通して興味を持った場合などがあります。

人体に興味を持つ子は思考力が付き、自力で読み書きをこなせる年齢になってからの5歳以上の子供たちが多いように感じます。全ての子供に見受けられる特徴ではありませんが、全ての子供達が自分自身の身体の仕組みを知り、自らの身体や命を守ることがどういう事なのかを理解し、種を超えた全ての命に対し尊ぶことを身につけることが重要だと考えます。


1、自らの体を知る

教室では1歳前後から模倣が上手に行えるようになったタイミングで身体部位のインプットに入ります。自らの手を使い頭に触れる「おつむてんてん」や手を叩く「おててぱちぱち」などができるようになると、自分自身の体の名前を知ることにより痛みなどを感じた場合に意思表示ができるようになります。これは私自身の体験ですが子供が小児科の医師に喉の痛みと頭痛を訴え、医師が驚きながら子供を誉めてくれた経験があります。日記を見ると1歳3ヶ月という記録が残っているので日頃の遊びが功を奏したものだと考えています。その経験後生徒さんに身体部位名のインプットを実践してもらっています。

自らの体を知ることを通して痛みや不快さを表現できるということは、母親にとって病気や怪我を察知しやすいというメリットもあります。


2、命の繋がりを考える

子供と命について考える時はどのようなタイミングでしょうか。先祖からの命のバトンを受け継いでいることについてお盆に親子で話し合ったり、動物を飼いたいと言い出したらその命に真剣に向き合うことや実際に飼育して命について実感したりと色々な場面で命について考える事があるでしょう。

自らの命だけではなく周りにいる人々の命についても理解を深め、種の垣根を越えて命の尊さを理解できる子供になってほしいと考えています。


3、見える部分の身体を知ることから見えない部分をも理解する

1、2歳の小さな子供が自分自身の体の中を理解することは難しいものですが、身体の部位名を覚えることは可能です。自分自身の体を通してその役割や動きを理解し、周りの人々の身体の動きを日々観察し男女さや子供と大人の大きさの違い、そしてお母さんのお腹の中に宿る命を理解することにもつながっていきます。お腹にいる見えない兄弟姉妹について声かけ次第で十分理解できるもので、それには日々変化するお母様のお腹に触れることで理解は進んでいくので時間をかけじっくりと向き合ってほしいと考えます。子供に理解を促す意味でも数冊の絵本を活用していただいています。

少し成長した5、6歳の子供が身体の中の見えない臓器を理解するには、幾つかの発達が順調に育っていなくてはなりません。身体を知るということは未知の世界を想像することから始まり能力の育ちが必須になります。

その能力とは1つ目が『傾聴』です。身体に興味を持ち知ろうとすると図鑑を手に取ることになり、ひらがなが読めない子は読んでもらわなければならず傾聴できなければ理解につながりません。

2つ目は『脳内発信の聞く力』です。この言葉を初めて知る方は理解し難いと思いますが、耳から入った情報を精査や処理をしながら判断し、思考に結びつける能力のことです。全ての子供がその能力を身につけるわけではなく、この能力を身につけるには乳児期からの働きかけによる末に獲得できるもので大変能力が高くなります。

上記の2つ以外にも『想像する力』や『文字やイラスト写真などを見て読む力』などがあります。具体的なことについては乳児期をお抱えの母親学でアナウンスしています。1歳以降の生徒さんのお母様には個別対応が可能ですのでお声掛けください。


4、日常の中で人体について総合的に思考できる機会を設ける

子供が関心や興味、好奇心を育てる事ができるのは、身近にそのような状況や環境があるか否かです。興味や関心を持つ導入部分がうまくいったとしてもそのことを継続して知るための実践がなければ継続する事はできません。ですから子供が関心を持てるように体験や経験をさせる種蒔きをし、そのことを振り返り思考する継続の時間がとても重要になるのです。視覚重視の子供とそのような時間を持つためには絵本や図鑑を活用することをお薦めします。

また関心や興味を引き出すためにどのような種蒔きができるのかを親御さんが考えることも子供を伸ばすために必要なことと考えます。

例えば、小児科の先生が診察に使用する道具に焦点を当てる。

総合病院の科目に目を向けたり、病院内の施設に関心を持って調べる。

飲んでいる薬から病気を考えてみる。

身体的に不自由さを抱えている人と見た目ではそう判断できない人の違いに気づく

昔の医療がどのようなものであったのか、偉人がどのような病気に侵されていたのかを調べてみる。

現代の進歩的医療や医療現場で働く人々の職種についてを学ぶなど方法は沢山あります。

冒頭に記したように人体を知ること、理解することに関しては高い能力が必要になります。高い知能を求める親御さんが関心を持って種蒔きをする場合もありますが、私はそのことよりも自分自身の命は勿論のこと、あらゆる種の命とは何かを確りと見つめる子供の方が生きる力のある子供だと考えています。知識から発することを人体や医療に求めるのではなく、温かな思いの溢れる心から命を考えたり向き合ったりすることから人体とは何かを考えて欲しいと思うのです。最後は自分自身の命のもとに感謝できる人であって欲しい、ただただそう思うのです。

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