絵本『めのはなし』

身体に関わる絵本を取り上げると折りには、この作品からスタートしようと決めていました。というのも子供たちの視覚の変化に戸惑いを感じていたからです。親子でこの作品を通して如何に目という期間が重要な働きをしているのかを知っていただきたいと思います。

1977年初版され45年も経た作品ですが、目という期間の役割や目が引き起こす錯覚の話、日常の注意点など本格的な内容がわかり易く描かれています。

いろいろな子供向けの読み物で取り上げられることの多い人間の目と猫の目の瞳孔の違いをイラストだけで表現している点に於いても、思考力のある子供はなぜ猫が登場するのかを疑問に思うでしょう。子供の好奇心や疑問を刺激する質の高いこのような絵本を世代を超えて読み継いでほしいと考えます。

またこの作品の素晴らしい点はあえて専門的な言葉を使用していることにあります。子供たち向けの絵本だからといって、専門用語を優しい言葉に置き換えることなく眼球・網膜・虹彩・などと表現として使っていることが、子供たちの言語性を刺激し「こんなに難しい言葉を知っているんだよ」と自信を持ち発言するようになります。するとさらに知識を掘り下げたいという思いを抱き始めます。

視覚重視の子供たちの発達でありながらその重要さに気付かず、何ものにも保護されていない剥き出しの目という臓器を手で無造作に擦ったり、子供の目の発達に影響を及ぼすスマートフォンを最も簡単に操作させている様子に警鐘を鳴らすためにも、今一度この絵本を親子で読んでもらい関心を持っていただきたいと思います。

Baby教室シオ

ほんものの学び。今必要な学び。乳児期から就学期までを総合プロデュースする沖縄初の乳児のためのベビー教室です。