提案『まだ間に合う記憶力獲得の方法』

ある程度の学習を進めてくると記憶力の良し悪しが関係してくることを実感する親御さんも多いのではないでしょうか。そして多くの方が質問してきた『記憶力を強化するためにはどうすればいいのか』の回答にいつも困るので今日は『そもそも記憶というものは・・・」というお話をしようと考えています。

不思議なことに体内記憶を持って生まれてくるお子さんが一定数おられることはみなさんご存知だと思いますが、既に記憶が働き始めているのです。出産4ヶ月前から日々を大事に過ごすようにお伝えしているのもこの胎内記憶を働かせておくためでもあります。

実は私自身も経験しているのですが、出産後の子供が妊娠中に読んでいた絵本やクラシック曲に反応することは実体験として確認できています。ですから少しご機嫌が悪い時に絵本の一文を話してあげるとピタッと泣き止みましたし、3歳前に連れて行ったクラシックコンサートでは子供参加型のコンサートでしたが落ち着いて見聞きしていたように思います。幼稚園時代にはピアノやバイオリン発表会、コンクールに連れて行っても微動だにせず集中して聴いてる様子に周りの見ず知らずの人に驚かれることは頻繁にありました。また言語的な能力も妊娠中にお母さんが話しておくと語彙の増え方も格段に違いが出てきます。このような話をすると胎児には戻せないしと残念がられる方がおられますが、まだまだ方法はあります。

実は乳児期のベビーマッサージも記憶の回路を確立するための手段になります。乳児は生まれてから自分の手足や体と脳と連携をして動かし方を学び記憶をしていきます。身体の部位に触れられることにより感覚統合が刺激され快楽を覚えながら記憶を司る海馬を育てていきます。ですからベビーマッサージやスキンシップを行うことは大変理に適ったものでもあるのです。


そして生後5ヶ月ごろから種蒔きをした『いない いない ばぁ』が日の目を浴びるのが個人差はありますが生後7ヶ月です。ものの永続性を理解し対象である顔が隠れても「ばぁ」いう声と共にそこには顔があるであろうと予測し期待をした上で楽しむようになります。その予測が記憶であり、楽しむことが快楽で海馬を育てることになります。


そして視覚認知誘導の記憶力の芽は生後8ヶ月頃に芽生えます。この頃になると自分自身でハイハイをしながらものの永続性を様々な形で確かめ、中にはいつもここにあったものが無いと気付く乳児すらいます。


とうに1歳のお誕生日を過ぎてしまったというお子さんもまだまだ大丈夫です。

1歳児は『いない いない ばぁ』の変形型が数多実践できるようになるため、様々なシチュエーションで行いそれを繰り返すことで発想豊かな幾つもの記憶の構築につながります。例えばソファーやカーテンの裏に隠れて、部屋から出てくる扉越しに、時にベッドやお布団から顔を出してなど思いつく限りさせてみることも記憶と発想の強化になります。我が家では玩具箱や空き箱を活用したり、テーブルの下に隠れてクロスを引き倒してしまい上のものが全て落下したこともありましたが怪我をしなければそこそこ認めていました。この1歳児の『いない いない ばぁ』の実践は実は親誘導でしなければ発想豊かに遊ぶことはできません。1歳児をお持ちだと体力的にきついこともあるでしょうが、後々子供の記憶力が豊かになることを願うのであればとことん楽しんで記憶の海馬を刺激することが記憶力強化のチケット獲得になります。


2歳を迎えた方もまだ大丈夫。2歳以降はかくれんぼで『いない いない ばぁ』の変形遊びを行い快楽を得るようにします。『かくれんぼ』は隠れた場所が一度見つかってしまうとそこは隠れることができない場所であると経験値の記憶を頼りに判断し、別の場所はないかと探すことになるため瞬時に物事を判断する力も獲得できるようになり、その遊びから出る快楽は『いない いない ばぁ』を遥かに凌ぐもので海馬への刺激は大変大きなものになります。記憶と判断も隣り合わせの能力ですから是非とも獲得しておきたい力です。

またそれとは別に耳からの入ってくる情報を記憶へ結びつけることもかなり重要になります。それは言語性を基礎とする情報記憶になるのですが、いずれは学習記憶を鍛える年齢にさし掛かる時にスムーズに記憶できる力をつけなくてはなりません。それの土台作りが2歳です。では何をするか・・・それは童謡を覚えて歌えるようにすることです。まずは耳から聞いたメロディやリズム歌詞を覚える必要があるため聴かせることが重要です。

私はなるべく昔の美しい日本語を子供達に聞かせたかったことと、一緒に歌いたかったので現代版のアップテンポな曲は程々に童謡や唱歌、抒情歌をたくさん聴かせました。おそらく私が母の影響で瀧廉太郎や山田耕作、野口雨情、北原白秋、島崎藤村、中田喜直の曲を耳にしていたからだと思います。子供が小学校低学年になって歌っている歌詞の情景を頭に思い描いていることができていることを理解した時には、これで国語の読解力が上がるに違いないと感じた瞬間でもありました。一度獲得した記憶を引き出して思考に結びつけるには童謡・唱歌・抒情歌は大変容易くできるものであると思います。


すでにう我が子は3歳なんですけれど・・・という方にもまだまだ方法はあります。それを行うには好きなものを持っているという条件があります。好きなことをとことん追求することで子供の集中力が伸びていくのですが、そこに好きなものを覚えるということを付加させれば好きなものなのでどんどん覚えて記憶のスペースを広げて行ってくれます。親が与えることができるのは乳児期から2歳までとは大きく異なり、覚えるための絵本や図鑑などの準備と集中できる時間を与えること、そして子供が覚えたことを伝えてくる言葉に耳を貸すことができるようにしておく心の余裕です。実は男の子はその好きなものが見つかることは多くあるのですが、女の子はなかなか見つけられないということがよくあります。私もこの仕事をしているので男の子が夢中になるものへの種蒔きもしておきました。しかし男女の性差というものはかなり手強いものです。よって花や植物、音楽家や芸術家の名前、その作品と芸術家の結び付け、食に関することと食器などの陶器に関することなどの種蒔きも念の為行いました。いろいろなことがあるでしょうからご家庭に沿ったものをお考え頂いてもよろしいのではないでしょうか。


幼児期の最終記憶の働きかけは4歳以降です。

学習に結びつけるのであれば言語性に関するものや各単元ごとに学ぶであろうことを暗記させていくことが残されています。記憶🟰暗記の世界に入ることができます。我が子供たちは文学を中心に覚えることからスタートしましたが、文学のみならず元素記号や日本や社会地理に関することや数学に関することなどの暗記を行いました。我が子の学習的暗記は3歳からスタートさせていましたので最初は意味が分からずただただ覚えている様子に主人が「それってどうなの?」と言われましたが、覚えてしまえばすらすらと楽しそうでしたので親としては満足していたのですが、先日1年ぶりに帰省した折り「長文の文学を覚えると言われた瞬間は嫌だったなぁ」と話していましたが、覚えてしまえば楽しかったとも話していましたし何より覚えたものに成人して出会うと懐かしくなるそうでまた読み返すのだそうです。

6年生大学に進学してからは将来の夢を実現すべくものすごい量の学びを記憶しなければならない日々に余裕がなく大変そうでしたが、人間というものは鍛えれば鍛えるほど進化するものだと思うと同時に小さい頃に記憶を鍛えておいて良かったと改めて感じています。幼児期の頭が柔軟でスポンジのようになんでも吸収する時期に記憶を司る海馬を育てておくことは本当に重要だと感じています。

記憶力を育てるには乳児期から3歳までは快楽を中心に楽しいを育てて、4歳以降は記憶を鍛錬するように育てることが重要なのです。



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