絵本『もうすぐ おしょうがつ』

今日はクリスマスというのに取り上げる絵本はお正月作品です。今週はお正月に関する記事配信となるためこの作品を取り上げることになりました。

個人的に西村繁雄さんの作品は懐かしさがあって大好きです。特に子供が好きだった『ぶらぶらばあさん』という作品は子供との思い出と同時に父との笑い話もあって心地良い過去の時空へと誘ってくれます。そんな思い出を紡ぎ出してくれる一冊を行事絵本として取り上げます。

この作品こそ「 The 日本のお正月 」という場面が目白押しです。祖父母の家に向かう犬の家族が29日から31日にかけて新年を迎えるために準備を行う様子を描いた作品です。古き良き時代を表現している作品ですから若い世代の親御さんも経験したことがないと思いますが、新年を迎えるために行う大掃除やおせち作り、買い出し、飾り付けなど現代風にアレンジした日常と比較してお子さんたちと楽しんでほしい、経験させてほしい、伝承して欲しいと思うのです。

まずは年末の晩に子供に読み聞かせを行い『お正月とはに何か』を感じ取ってくれたらいいなと思います。

余談ですがこの作品を読んでいると私が小学生だった頃の祖父母の家での年末年始を思い出します。親戚中が集まってザワザワとした賑やかさの中に、新年を迎えるという緊張感もあったことや蒸した餅米の湯気と香り、餅を交代でついた時の掛け声や杵の重さをこの絵本を読む度に思い出します。父と松の木を切り出しに雑木林に分け入り、門松を作った経験に幸せを噛み締めながらもう一度読み返してみたいと思います。絵本というものは子供だけのものではありません。幾つになっても子供の頃に立ち戻れる良質なものです。

子供たちが成長し我が子にこの絵本を読み繋いでいく光景を想像しながら是非とも読んで新しい思い出を子供と紡いで欲しいと思います。

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