絵本『きつねのたなばたさま』

七夕を前にこの作品絵お取り上げます。きつねが出てくる作品は数多くありますが『ごんぎつね』や『きつねとぶどう』のように少し切なく悲しい気持ちを育てながらそれでも逞しく生きていくというお話です。

母親を漁師に打たれてしまったこぎつねは夢の中でしか会えない母きつねに会いたくなる度に麓に降りて人間の母子を見て母ぎつねと過ごした日々を思い出しているのです。そしてその人間の子供が父の病気が治るようにと短冊に願い事を書いて吊るします。

その様子を見ていたこぎつねは「お母さんが帰ってくるように」と願いを山芋の葉に浅見の花の汁で足跡を推して笹に吊します。

しかしその願いが聞き届けられることはありませんでした。

人間の子供の願いが叶う一方で自分の願いが叶わない落胆の気持ちの中で、寝ていると夢の中で母に会えることを繰り返しているうちにこぎつねは痩せていきます。このままいったらどうなるんだろうと心配な気持ちを抱えつつ子供達は真剣に話に耳を傾けます。次の場面でこぎつねが見たものは・・・

巻末には作者の想いが込められています。その内容は親御さんがしっかりと受け止めてくださると子育てのヒントなるのではないでしょうか。

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