提案『大きなものに対する免疫』

お子さんと戦隊モノやぬいぐるみショーを見に出掛けて大泣きしどうにもならずその場を後にしたというお話をよく耳にします。

画面上で見ているいつものヒーローやキャラクターなのにどうしてそんなに大泣きをするぐらい怯えているのだろうかと親御さんは不思議に思うかもしれませんが、映像の中の戦隊ヒーローやキャラクターは小さく且つ平面的なものとして子供は捉えています。しかし突如として目の前に現れる大きくしかも立体的になっているキャラクターに戸惑い、またショーでの効果音の音量も大きため繊細な子供にしてみれば驚き泣かずにはいられなくなるのでしょう。

しかしこの戸惑いや驚き怯え泣くという反応は子供の発達や育った環境に深く関係しているため今回はその解説と提案をしていきます。


それでは子供の発達から考えていきましょう。

生まれたての新生児はぼんやりとしたものの見え方から日を追うごとに視覚発達が進み、生後6ヶ月で対象物を両眼視で見ることができるようになり、8ヶ月前後で自他の区別が付き対象物を立体的に見ることができるようになります。この頃に「高い高い」とあやすと緊張した表情を浮かべたり泣き出したり、よじ登ったテーブルやソファーから降りられず愚図ることが見受けられるようになります。これらの反応はいわゆる対象物を立体的に捉えることができるようになり、大きさや奥行きの理解が進んで見え方が大きく変化したことで怖さを感じたことを意味しています。

よって冒頭の事案は子供の成長を実感できるチャンスでもあるという捉え方もできます。しかし全ての子供が皆そのような反応を示すかと言えばそうではありません。ではなぜ泣く子と泣かずにケロッとしている子がいるのかを解説してまいりましょう。

我が子供達は泣くことがありませんでしたが緊張しているなという表情をしていたのを覚えています。しかしそのような場所へ何度か連れ出すと見た途端駆け寄って抱き付いたり、握手を求めたりする行動に出ていました。子供が泣くか泣かないかは子供の個性というものも大きく関係しているかと考えますが、もともと物怖じを一切しない子はなんだろうという興味や関心が強いのでじっと見たり自ら近寄ることがあります。また慎重派のお子さんや物音ひとつでびっくりする子供が親にしがみ付いたり隠れたりします。またあまりにも神経質に子供を育ててしまうと不慣れなものに対して敏感になってしまい泣き出す傾向が強いように感じています。よって子供の個性や育てた環境によって色々な反応があることを理解しておきましょう。


そのことを踏まえた上で次は大きなものに対する免疫をつける方法を提案します。

乳幼児期には小さいものを与え手指の発達を促すようにしなければなりませんが、実は大きなものも与える必要があるのです。それは空間認知を促すためのものですが全身を使って大きさのみならず重さを実感し五感をフル働かせ感覚統合を進める必要があり、そのために多くの体験をさせておくべきなのです。

まずは子供の等身大のぬいぐるみやお人形、戦隊ヒーローなどを抱えるという経験をさせものの大きさや重さを五感で捉えさせ、できればお与えになるものの感触がさまざまなものであればより触覚的感覚が刺激を受けることに繋がります。

そして自分よりも大きなものに抱き付いたり、持ち上げようとしたりすることで大きなものに対して物怖じしない経験を積ませていきます。この物怖じしないことは積極性に通じるもので子供自身の成長に大きな影響を与えます。何かの影に隠れたり怯えて消極的になるよりも物怖じせずに堂々と何事にもチャレンジする子供に成長するための環境を整えてあげるのも親の役目だと考えます。

また私はなるだけ公園で見つけた木の幹に両手を広げて抱き付かせたり、大きなオブジェを見たり高くて大きな建築物を見上げる経験をたくさんさせてきました。大きなものに対しての憧れは幼児期になれば自然と湧いてくるものですが、乳児期から2歳ぐらいまでは大きなものに慣れさせる経験無くしていきなり子供が驚くような大きさや高さのあるもにに接する機会を設けてしまうと驚きで泣き出すことも仕方のないことだと思います。子供に一度怖い経験をさせてしまうと克服するに時間がかかりますので段階を踏まえて進めることをお勧めします。


高さに慣れさせるという事に抵抗のある方もおられるようですが、ここでいう高さとは見上げる高さのことであり決して覗き込む高さのことではありません。覗き込む高さの危険性についてはまた機会があれば記してまいりたい思います。

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