スナップ『ご家庭の力で子供が伸びる』

捕まえた虫を食い入るように見つめている生徒さんご一家のとある午後の素敵な時間をご紹介いたします。

ここ沖縄では図鑑や教科書には載らない南西諸島の昆虫がたくさんいます。子供たちが定番として春先に見るモンシロチョウは沖縄では国内外来種という位置付けですから、沖縄ならではの昆虫を捕まえて名前は何度ろうか?と調べる楽しさを学んでおられるでしょう。さぁ、これからどんな昆虫を見つけて行かれるのでしょうか。


女の子はどうしても昆虫の世界に足を踏み入れ難いように感じますが、私は男女問わず昆虫の世界のみならず自然の中に身を置く経験は必要だと考えています。その理由は子供自身が経験したことを通して自分自身の経験で理解したことを言語化し、知らないことを調べ観察したりすることで多くを学び、そしてその得たものを自分なりの手法で表現することはその子供の輝きに直結します。その輝きは全ての子供が持っているものではありません。子供はみんな原石の塊ではありますが、その輝きを外に放っている子供はほんの一握りです。その輝きを自発的に出させる経験が子供により異なるため多くの体験をさせることが重要なのです。

下の写真は虫好きのお父様が幼いお嬢さんたちに捕まえたバッタが口から吐いている茶色い消化液を見せておられるシーンだということです。

「何か口から出してるね」「どうして茶色い液が口から出ていると思う?」「なんか不思議だね」「このバッタはなんていう種類なんだろう、調べてみようか」「ほらバッタってこう捕まえるんだよ」等と会話を想像しているだけでいく通りものキャプションがつけられそうで私の方が楽しくなってしまいますが、親はその場で見たことをそのまま言葉にして子供に投げ掛け、子供からどのような発言が出てくるのかを待ち、その言葉を受けてどのように話を展開していくかが子供の興味や関心を育てることになります。


世の中には知らないことが数多あり私も子供たちから教えてもらうことが未だにあります。そう考えると生きている間に好奇心や興味のアンテナを張り続けても氷山の一角の知識で終わるのだろうと思います。これからの子供達の人生を考えると、幼い頃からたくさんの経験やワクワクすることや初めて知ることが一つでも多くあれば人生は楽しく豊かなものになるでしょう。興味や好奇心とセットになる思考の深まりやものの見方捉え方の他にもあらゆる力が共鳴し合いものすごい勢いで成長していきます。すでに今回の生徒さんもその成長の一端が顔を覗かせています。

生徒さんの相乗効果として現れたのは優しさです。

捕まえた蝶が弱り出したことに気づかれ「大丈夫なのかな?」とお話しされていたそうです。弱り出したということを感じるということは観察をしていなければ発見することができません。虫を怖がっていたお嬢さんがその蝶に対する気遣いを見せるということは、優しさの眼差しを蝶に向け、生きとし生けるものに命があることを実感されているということでしょう。小さなものにも命があり地球という世界の歯車の中に自分自身の命も存在していることに気づくこともそう遠くはないと思います。昆虫の世界から動物の世界に目を向けるとその実感は早く訪れると思います。

私たち親は子供の可能性を広げたり選択肢を多く持たせるという点では行動してもし尽くせないものです。ありとある無限増の選択肢の中から何をチョイスし与えられるだろうかと常に考えなくてはならず、そのことを親自身が楽しむことこそが子供の輝きを最大限に引き出す方法であることも認識しておかなくてはなりません。

虫取りから数日後に自ら楽しんだその様子を絵にされたそうです。この行動も相乗効果の一つです。蝶がお嬢さんよりも大きく描いてあるということから推測するに、きっと蝶を捕まえたということが大きな成果として捉えているのだと思います。左手にお父様こだわりの虫取り網を手に、右手は女の子らしい繊細な動きを表現しているようにも見えますが『私、蝶を捕まえたのよ』と自信に溢れている動作ではないかと勝手に推測しています。愛くるしい表情を皆さんにお見せできないのが残念ですが、心が満ち足りた時の笑顔ってこんなにも人を癒すものかと改めて「かわいいなぁ」と初対面の笑顔と重ねて見ています。これからもお子さんたちの笑顔を引き出していかれることを期待しています。

お時間がありましたらお仕事の話を通して私の知らない世界を垣間見せていただけたらと嬉しく思います。

Baby教室シオ

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