提案『本が好きな乳児にするために』
2023年10月9日『読書の効果』について記事を掲載しましたが、今回は乳児期に絵本好きにさせるための確実な方法を柱のみを掻い摘んで記してまいります。詳細についてはレッスン時にお尋ね下さい。
1、胎児の頃から絵本を読み聞かせる
理想を言えば出産予定の2ヶ月前より絵本を読み聞かせるということを実行しておくと出生後に胎内記憶を持って絵本を楽しむことができるようになります。
つまり胎児は16週を過ぎると脳の海馬が発達し母親の声を記憶できるようになり、24〜26週にかけて耳から捉えた振動を音として認識できると言われています。37周目からはいつ生まれても良いタイミングに入りますので30週前後から絵本を読み聞かせ最も発達している器官である聴覚を利用し、絵本に親しむことを真っ先に優先することをお勧めしています。私も実体験で妊娠時から読み聞かせをしている絵本のフレーズを出産後に泣く子供に聞かせると泣き止むことがよくありまし、胎児から読み聞かせている長い文章の絵本でも微動だにせず絵本を見ていることもありました。よって出産後は慌ただしくなることを考えると妊娠中のゆったりとした時間のある時に母親が暗唱するくらい絵本を極めておくと、出産後の寝かせ付け時やあやす時間に絵本を誦じてあげることができ絵本の世界に触れていることになります。だからこそ妊娠期の時間があるタイミングで第1子は良質の絵本をの世界にどっぷりと浸り後に続く第2子以降の子供達も自然と絵本の世界に引き込まれることになります。第2子目からでこのブログに触れた場合は第1子と共に楽しむ絵本を読むことでカバーはできると思います。
2、乳児期からしっかりとものを見せる
絵本を見るためにはものを見る力が重要になります。そのために生後間もない頃から母親の顔をじっと見つめることを促してもらった後、特定のカードを数種類用いて月齢に合わせて絵を見るトレーニングを行います。新生児の頃から既に自発的にものを見るために母親の顔にピントを合わせようと乳児は母親を見つめます。この時にスマホ片手に授乳をするのではなくしっかりと我が子を見つめ親子の絆を深めながらしっかりと愛着形成を深めましょう。この愛着形成は絵本のみならず多くの心身の発達に深く関係してくるため出産後は最優先して実行してください。トレーニングはその後に月齢に合わせて段階を踏んで進めます。
3、生後4ヶ月で絵本を導入
実際の絵本用いて読み聞かせの時間を設けます。首が座り始めると左右に思い頭を動かすことができるようになります。すると絵本のページを捲ると追随し目で絵本を追うことができるようになります。
生後4ヶ月時の絵本を掲載しようと書庫を探したのですが全て貸し出しの対象となり生後3ヶ月対象の『かおかおどんなかお』、生後7ヶ月の『ねむねむごろん』のみの掲載写真となっております。対象年齢を明記したシールを貸し出し絵本表紙の右上に貼っていますのでご参考になさってください。
4、絵本をおもちゃにさせる(指を使用して絵本を捲らせる)
お座りができるようになり指先のモータースキルを獲得することができるようになれば絵本のページを捲るようになります。この時期に絵本を破かれることを好ましく思わず一切お子さんに捲らせないという決断をなさる親御さんがおられますが、お子さんが好んで触る場合には教室用の絵本ではなく同じものを購入し破かれること前提でページ捲りをたくさんさせてください。乳児自身がページを捲ることは指先の器用さの獲得と同時に自身のペースで本を捲り絵を見ることを行うようになります。子供に絵本を好きになってもらいたいのであれば、思う存分ページを捲りそれが破りに繋がってもいいと決断されるべきだと考えます。ページ破損については指のモータースキルの獲得と共に丁寧さをアナウンスしなければならない時期が来ることも念頭に入れておきましょう。
5、絵本を至るところに配置する
絵本をいつでもどこでも手にすることができる環境を作り出すことが重要です。子供の手の届く場所に絵本を置くようにすると同時に場所もいくつかに分けて設け絵本を配置します。子供が遊ぶおもちゃの横に絵本を、ソファーのサイドテーブルに、寝室にと絵本をいくつかの場所に分けて置くようにし、いつでもどこでも読み聞かせができる環境を整えます。また興味を示さない絵本は子供の目のつく所に置き関心が芽生えるのを待つようにすることも必要となります。
6、日常行動とセットにすることで習慣化する
子供の生活の中で絵本というものが定着しない場合には毎日行うことにセットすることが望ましいものです。我が家の場合には食事をして歯磨きをしてさっぱりとした後に必ず1冊読むということを実行し習慣化しましたが、習慣化は夜寝る前に絵本を読むことでも十分習慣化することができます。この時には読み聞かせの冊数を決めて読むのではなく、絵本の世界をじっくり楽しむということに焦点を置き取り組まれると良いでしょう。ある生徒さんはお祖父様の姿を見ると条件反射のように絵本をお子さんが持ってきて、お祖父様のあぐらの上にちょこんと座り絵本を楽しんでおられました。私も子供の頃に特定の人に読んでもらった絵本の記憶は今でも鮮明に残っていますが、その記憶があるからこそ懐かしく感じたり、読みたくなったり、しんみりしたりと感情が揺さぶられます。子供の時の忘れえぬ体験はかけがえのない宝物だと実感するのです。思い出の絵本の記憶を子供達にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
7、親の本を読む姿を見せる
昨今は実際の新聞を取らず本も電子書式化されているものをご利用される方も増え、実際に親が新聞や本を読むという姿を直接的に見せることができない場合もあります。この場合には子供は携帯やスマホ、パソコンなどを見ていると判断するため書物に触れているという認知が難しいようです。先日小学生の生徒さんがうちの親は新聞を読んでいないということを話されておりました。そんなことはないだろうと思いスマホで見ているのではないかと答えを返すと、後日やはりスマホで見ていたという話をしてくれました。そう考えると一目瞭然で読書をしている姿を見せなければやはりならないのだと痛感させられました。便利なものが出回ると同時に大切なものを失うことをどれくらいの親御さんが気づいているのだろうかと考えさせられます。子供だけに読書をしなさいというのは道理が通りません。どうぞ読書の習慣がないご家庭は親御さんが先導して読書タイムを設けるよう心がけましょう。
8、図書館や本屋に頻繁に連れて行く
乳児の絵本記事とは直接関係ありませんが少しこの項目もご理解いただきたいと思います。
多くの書物が置いてある環境に離れさせて置くこともまた絵本との距離を縮めることになります。たくさんの絵本の中から関心のあるものを手にする選択権を与えておくこともまた楽しみを獲得するチャンスになります。図書館の静かな空間を味わったり、書店の軽快なポップや山積みにされている本、本の見せ方の違いも子供にとっては気づくことが多々あるようです。我が子供の場合、子供が最も目につくのは表紙を表にして積んである平積みに向かったまっしぐらだったのですが、ある時を境にお勧め絵本が陳列している面陳列というコーナーに駆け寄るようになり、やがて棚差しと言われる背表紙を探すようにもなりました。また飛び出る絵本のような仕掛け絵本の多面陳列しているものを360度ぐるっと見て回るなど刺激を多々もらっていたように思います。そして書店をぐるっと周りどこの階にはこの種類があり、どこの回が一番静かで本が読めるなど気づきの世界を楽しんでいたようにも思います。また図書館では顔馴染みで新刊を手にしたいがための交渉すらやってのけていました。本のある場所も子供にとっては学びの場なのです。
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