絵本『ばぁばにえがおをとどけてあげる』
9月18日の敬老の日に先駆けて孫が祖母を思う気持ちを描いた作品を取り上げます。
外国の絵本らしく日本人の感性とは別の感性が美しく表現されています。例えば、ばぁばぁが元気がない様子もなぜか品があり美しく見えてしまいます。また服のデザイン性も大胆で幾何学的で配色もヨーロッパ的で美しいと感じます。
孫娘は元気のないばぁばぁの異変に気付き母親に尋ねます。すると、
「人生から喜びが消えちゃったみたい」
「喜びってなぁに?」
「人の心を幸せにして、目を輝かせるものよ」
祖母が元気をなくした理由が断定されていませんが、公園に行き喜びを様々な人から借りる作戦に出ます。
絵本を読み進めていくと『人の幸せとはなんだろう』と人それぞれ幸せや喜びの価値観の違いに気づく可能性を秘めている作品のようにも思います。小学校低学年向けの作品として販売されていますが内容は難しくなく、幼児の頃から心を育てるという作品として繰り返し読み親子で人の喜びや幸せについて考えてほしいものです。
さて孫娘は祖母を喜ばせる探しものを見つけることができたでしょうか。この先は絵本を読んでお確かめ下さい。
私には父方の祖母は先の大戦で亡くなっているため母方の祖母に大変可愛がってもらいました。ティッシュを見る度にその思い出がよみがえります。
「ティッシュはどこ?」というと祖母は必ず一枚使うあてもないティッシュを引き抜き、次に出てくるものを私たちに使わせました。埃がついているかもしれないからと言いその一枚目を綺麗に畳んで自分の脇に置くのです。そんな優しい気遣いを誰にでもできる人でした。
皆さんもご自身のご祖父母様を思い出すきっかけの絵本になればと思います。
0コメント