提案『読書の効果』

読書には子供の成長に大きな効果をもたらすことは明らかです。そしてその質を高めることにより多くの能力が同時に向上されていきます。現代では様々な趣味趣向が存在し読書が趣味と言える人の数も減少傾向にあると言われています。ですから親自体が本を読む習慣が身についていない場合もあり、子供にもその読書習慣が継承できないことが大変残念なことでもあります。

読書は子供の言語力や読解力、想像力や表現力を豊かにするだけではなく、物事に対応する集中力やより豊かに生きてくため、そして逞しく生き抜くための知恵を獲得することができるのです。何より先人の多くの叡智が詰まった書物を手に取ることは深みのある人生を送ることができる事にも繋がります。私のように歳を重ねるとどんなに高価なもので生活が溢れていても最終の着地点は自分自身の中にその叡智をどの程度手に入れることができたかという域に喜びを感じます。しかし小さい頃からその体験をしているのであろうと思えるのが女優の芦田愛菜さんです。彼女のように読書を好んだ子供が意見を求められた時、あらゆる角度で物事を捉え自分自身の意見を述べることができる人物になって欲しいと思うのです。では今日のテーマである読書の効果について述べていきます。




1、集中力がつく

読書における集中力は読んでいるその物語に集中し、時間を忘れて作品に没頭することができる力のことをさしています。集中力を磨くために必要なことは読書の習慣化です。幼い頃から短いストーリーの絵本を短時間で読み終えることからスタートし、読書時間を徐々に伸ばし絵本から児童文学、一般的文学、大作を読む経験値を積み上げることにより多くの作品を集中して読み耽ることができるようになります。「あぁ、楽しかった」「一気に読んじゃったよ」と子供自身が発言できるようになると読書に没頭した事になります。

また読むスピードも習慣化で早まるために自然と読書に集中できるようになり、騒々しい場所でも不必要な音を消し去り本に夢中になることができるようになります。その集中力は読書だけにとどまらずあらゆる場面で発揮することができるようになることも読書効果の副産物と言えるでしょう。




2、語彙力が育つ

本好きの子供たちは多くの言葉を絵本の中から吸収していきます。初めて耳にする言葉や絵の中から読み解くために必要な理解していない言葉にはとても敏感に反応します。小さな頃から言葉に関心を持っていると成長とともに熟語や慣用句、ことわざなどの知らない言葉がどのような意味を持つのかを知るきっかけにもなり、漢字や外来語に対しての関心も育ち始め自然と語彙力を増やす事になります。




3、読解力がつく

読書の習慣がつくようになると先述の語彙力も獲得し、文章を理解するための文定型が理解できるようになり文章の流れを読み解く力がつきます。語彙や文法を単独で覚えようとすることよりも本の物語と関連づけて語彙を覚えることが効果的で、物事を関連づけて記憶定着を図る子供の発達には大変ベストな方法なのです。よって物語を正しく理解し読解することができるようになるだけではなく、内容への感情移入ができ文章を噛み砕いて理解することがスムーズに行えるようになるのです。この読解力は学習だけに活かされるものではなく、社会生活や人との関係性で空気を読んだり配慮したりとあらゆることに活かすことができます。




4、想像力や空想力が育つ

本の世界には現実の世界、まだ体験したことのない未体験の世界、そして経験ができない空想の世界があります。子供の頃にこの3つの世界を絵本で体験することにより文面から如何様にも想像を巡らすことができ空想の世界を生み出すことが可能になります。

子供は視覚重視で見たものを想像の土台として築き、やがて語彙力を増やしながら読解力を磨き想像の種を少しずつ植え付けていきます。絵本はその土台を築くためのもので想像を巡らせる下準備といえます。本物の想像力や空想力を育てるためには挿絵がない作品からその場面や風景、心情、読者の言わんとしていることを読み取り解釈することが必要になります。文章から想像することを繰り返すことで子供自身から芽生える想像力が磨かれていきます。現実ではありえないようなお菓子の国を思い描いたり、大空を飛び回る物語を創作してみたり、人間の体の中を探検したり恐竜の生きていた世界や宇宙にワープしたりと想像力と空想力をフル活用することができるでしょう。このような子供時代を送ることができた大人たちが多くの本や映画、様々な芸術などの作品を残しているのです。




5、理論的思考力が育つ

読書を極めると一つの作品を読むにあたり起承転結を考えながら読むことができるようになり理論的思考力に磨きをかけていくことになります。その内容に書かれている情報を関連付けながら精査し、物事を順序立てて考えることで理論的に考える力を身につけていくことになるのです。とりわけ年齢が低い幼児期から知識と知識を結びつけることを鍛錬することにより記憶力や学習効率もあげることができます。そして自分自身の捉え方を言葉にすることもできるため自分の意見を持てる子供にも成長します。この理論的思考が育つタイミングで一方向からの考え方を提示している作品だけを読むのではなく、敢えて対峙する作品にも触れることで物事をバランスよく捉える力もつき、生活の中でも意見の違う人々への意見にも耳を貸すことができるようにもなるのです。理論的思考を育てることは偏りがあってはならず、いかに多くの意見があることに気づき自らが精査判断することができるように育てることが重要だと考えています。




6、知識が増える

子供達が絵本を読んでいて目を輝かせる瞬間にも種類がありますが、その中でも知らない世界に触れた時には大きな稲妻が走るように思わず声を上げています。多くの絵本に触れている子供は初めて耳にする言葉にはとても敏感でどのような意味なのかを必ず知ろうとします。その獲得した多くの言葉を駆使し様々な物語を多角的に味わうことができるようになり、やがてその単一的な名詞や動詞だけではなく、言葉の言い回しや慣用句、ことわざ、熟語雑学、そして漢字外国語などその言葉を通してどんどん知識を広げていきます。知識と知識を結びつけ机上の学びだけにならずに、知識をもってして実行する行動力も生まれ益々思考の深さのみならず新しい発見や関心興味が生まれ知識を自分自身の中に置き留めるようになります。やがて子供の特性である結びつけて記憶する力を発動しその知識がやがて教養に結びつけることへと移行するようになります。教養の獲得は人生の豊かさの物差しにもなり人生を実り多きものにするためにも読書を通して獲得してほしいと考えます。




7、コミュニケーション能力が上がる

子供達が多くの時間を過ごす家庭や保育園・幼稚園、小学校など限られた人々との会話を通してコミュニケーションを磨いていくことになりますが、その限られた世界での言葉の獲得は多種多様に富んでいるようで偏りがあり思いの外多くの表現を学ぶには至りません。しかし読書を通して学ぶことは言葉だけではなく、相手の心情を読み取ったり立場を理解することや相手の意見に耳を貸し自分の意見と擦り合わせたり、自分の意見や考え方と異なる意見や考え方に触れる機会をも生み出します。

コミュニケーション能力を高めるためには様々な角度から物事を捉えることができるような作品を読みこなさなければならず、自分と同じ意見や思考を持つ作品はもとより全く異なる意見を述べている作品や客観的に物事を捉えている作品にも目を向けるべきだと考えます。自分自身の意見や考え方をしっかりと持つためには、様々な方面からの情報を精査し判断し自分自身を見つめるだけの材料を提示する書物の存在は、新たな発見や考え方の間違いを訂正してくれたり、時には深く考えさせられる内容もあるでしょう。このような深いところでの思考や価値観を得て円滑な人間関係を構築するコミュニケーション力には読書が必要不可欠なのです。





8、文章力や表現力が上がる

教室ではとにかく絵本の読み聞かせや親御さんの読書をお勧めしたいますが、絵本を多読している子供たちは会話もさることながら文章力や何かを表現する時の力には光るものがあります。劇的な変化を果たす子もいれば小さな輝きを散りばめてくる子もいます。その輝く表現をした折に読んでいる絵本について訊ねてみると、この作品のこの表現だなと察しがつく場合があります。言葉に敏感になっている子供たちはその作品に出てくる言葉はもちろんのこと、文章を真似て発言していることも多く即真似て使用し、そこに自分自身の知っている知識を載せて自分のものにしていくことがわかっています。私たちは先人の知恵を真似て生活を成立させていますから子供も本能で真似て成長することを実践しているのです。よって表現の豊かな作品を幅広く読むことで文章力が上がることも、表現力が豊かな発想として出現することも何ら不思議なことではありません。今週金曜日に予定している偉人幸田露伴は努力論という作品の中で他力を取り入れることの必要性を解いていますが、この文章力や表現力を伸ばしたい豊かなものにしたいのであればその道に長けている作品を取り入れれば良いといいことになります。

上記の1から8目での切り口で読書の効果について記しましたが細かなものはまだまだあります。もしかすると読書にはまだ計り知れない力が詰まっているような気もするのです。是非とも多くの作品を秋の夜長に楽しんでみてください。

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