絵本『もりのかくれんぼう』
秋になると必ず書店のお勧め作品として挙げられることの多いこの作品は、表紙から黄金色に輝く秋色を全面に押し出しているのでこの季節になると思わず手に取られる方も多いのではないでしょうか。林明子さんの絵が好きな方は必ず持っている作品でもあるでしょう。すでに表紙にもある仕掛けが描かれていますのでよく目を凝らして見て下さい。
団地に住むけいこちゃんという女の子の設定が45年前に出版された当時を物語り、どこかノスタルジックな作品として私たちの世代は遠い記憶にタイムスリップしてしまいそうな恋しさがあります。
けいこちゃんはかくれんぼをしたかったのですが出来ず、少し不満を抱えて兄と共に帰宅しようと歩いています。すると兄は家まで競争しようといつもと違う道へと駆けて行きました。その兄を追っかけてけいこちゃんも走り出します。
垣根を潜り目にしたものは・・・黄金色に輝く森に圧倒されて思わず立ちすくんでしまう黄金森に、こんな場所があっとことへの驚きと兄が進んで行ったに違いない道へと足を踏み入れて行きます。
けいこは森の中で出会った森の妖精のかくれんぼうと動物たちとで隠れんぼをするのですが、動物たちの足音が遠のき気が付けばその姿は消え、一人残されて不思議な感覚に襲われます。
昔森だったところに建てられた団地。そこに住んでいた動物たちは何処へ。人間の生活が自然を壊しそこに住んでいたであろう動物の生命を脅かすことへの考え方を学ぶことができる作品であ離、自然との共存共栄を考えるきっかけになればと思います。
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