おもちゃ『ジェコパズル 赤ずきん』

今回のパズルはグリム童話の中でも名高い『あかずきん』をフランスジェコがパズル化したものです。物語『赤ずきん』はグリム童話として認知されている方が多いかもしれませんが、もともとスウェーデンやフランスの民話の中に類似作品があり、1697年にフランスのシャルル・ペローによる作品として発表されています。その後グリム童話として認知度が上がった作品です。

グリム童話ではオオカミに食べられた赤ずきんとおばあさんは偶然通りかかった猟師に助けられるとの内容ですが、原作のシャルル・ペローでは食べられ物語が終わるので怖いという意見が多いようですが、現代の世知辛い世の中自分自身の身は自分で守るという考え方を子供に授けることもペロー作品では行えるのかと考えます。しかし小さな子供にはグリム童話定番のあらすじが良いと考えます。


36ピースからなり主要な3場面で構成されているこのジェコパズルは、完成すると横31.5cm、縦20cmとなります。



左端より赤ずきんちゃんが森の中に住む病気のおばあさんのお見舞いにお菓子と葡萄酒を携えて自宅を出る場面です。少し残念だなと思うのは家の前で手を振るお母さんの顔がのっぺらぼうになっていることです。その細部にこだわってほしかった残念でなりません。なぜなら子供というものは相対する人の表情を読み取る力を身に付けることが必要で、親子で確りと向き合っていればお母さんの顔がない気付きます。もし私がこのおもちゃの監修に携わっていたらこんな意見をあげるのに・・・と思う場面でもあります。



中央はおばあさんの家に向かう途中、森の中でオオカミと遭遇した赤ずきんが、迂闊にもおばあさんが病気で寝込んでいることをオオカミに話してしまいます。赤ずきんのことを食べてしまおうと思ったオオカミはおばあさんの家に先回りをすることにします。我が子供は絵本を読んでいてこの場面に差し掛かると「ダメだよ、ベラベラ喋っちゃ。人を見て喋らなくちゃ・・・人じゃないオオカミだ。こんな時どうしたらいいの?」と空想と現実の狭間を行き来していたことが思い出されます。パズルをしながら子供はどのように感じて考えているのかを知るチャンスが来ること願っています。



赤ずきんがお見舞いの花を積んでいる最中におばあさんの家に先回りをしオオカミはおばあさんを食べてしまいます。おばあさんに扮したオオカミと対峙し赤ずきんがその正体に気づき驚く様子が描かれパズルは完成します。このパズルを完成させたのちに「もしあなたが赤ずきんならこの危機をどのように切り抜けるか」を考えさせてみてはいかがでしょうか。思考の芽を伸ばすためには「もし・・・だったら、もし自分だったらどうする?」という促しは大変効果的な方法です。みなさん実践してみて下さい。

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