提案『母親ということを考えてみる』

母の愛をどう伝えるか、そして子供とどう向き合うのかを母の日を前に考えてみたいと思います。

親が子供と向き合うときに意識して重要視することはシンプルに考えて2つです。一つは愛情を確りと子供に伝えること、そしてもう一つは社会性を育てることです。しかし自己肯定感を育てることに意識が向きすぎたり、褒めて伸ばすことだけに意識し子育てをするあまり社会性が育たてないまま成長させてしまうことがあります。社会性を育てるにはある程度子供に自制を強いなければなりませんし、時には厳しくダメなことはダメだと考えさせなければならないこともあります。この2つのバランスの狭間で迷いに迷っておられるお母様がおられることも事実です。

しかしこの迷いをただただ行き当たりばったりの対応でそのまま放置しておくと問題は大きくなるばかりです。可愛いそのままでいいのよというのは乳児期です。歩き始めたら少しずつその都度『こうしなければなりませんよ』と教えていく必要があり、その must を教えるのにも一貫しブレないことが重要になるので、先ずは現在のお子さんがどのように過ごしているのか、躾上困っていることは何か、社会性を育てるにあたり不安要素はないかと考える必要があります。この歩き出しが躾のスタートと考えています。


またその社会性を育てる最初の躾をお子さんに施す前にご自身の子供の頃を思い出して欲しいと思います。お母様自身が子供の頃に親にしてもらって嬉しかったことや楽しかったことはどのようなことがあっただろうか、そして親にされて嫌だったことは何があっただろうかと幼い時を振り返って欲しいのです。例えば、コップを落として割ってしまった時「どうして割らないようにしなかったの?」と怒られたことが嫌であったのであれば、ご自身が子供にかける言葉は「怪我しなかった?大丈夫?」と声掛けし、片付けの方法や次に失敗しないための方法を伝えるようにしようという意識を心掛けることで親子関係のみならず子供の思考力は劇的に良い方向に向くでしょう。また「勉強しなさい」と言われるのが嫌でしょうがなかったというのであれば、小学校に上がる前に幼稚園から帰宅したらすぐに学びを終わらせて楽しく遊んだり絵本を読んだりと楽しい時間を自分から作り出す習慣化を促しておこうと考えることも親の知恵であり導きです。また声掛けにも一工夫することを親として考えて欲しいと思います。「早く宿題終わらせてこれをしよう」「勉強してるね、今日は学校で何を習ってきたの?」「ママも小学校のお勉強忘れていないか一緒にやってみようかな?」などと誘い水を上手に出すことがやる気に繋がると思うのです。

〜しなさい、こんなんなっじゃダメでしょ、やり直し、ダラダラしないで早く終わらせなさい、丁寧に字を書きなさいなどと命令や批判のオンパレードの言葉を子供の頃にかけられた経験があるのならば、子供にはこのような言葉を使わずにどうするべきかを考えることが親として新たなステージに立てるチャンスだと考えます。しかし私はこのようなことを考えずに済むような子育てを幼児期までにすることが最善の策だと考えます。このことについてはこれまでのブログにも掲載していますし改めた書く必要もないと思いますが、親子の関係性を確りと築き、その上で社会性を手取り足取り子供が理解できるようになるまで繰り返し繰り返し教え身に付けることができるようにすることが重要です。愛情の深さや見守りだけでは片手落ちです。ただただ自己主張の強い自分が一番だという自己中心的な子供になってしまいます。社会性は自己抑制や相手の立場を思いやることができる子供になり、人の話に耳を傾ける子供に成長し指導も大変しやすくなります。社会性を確り育てておくことは愛情の次に大切なことだと考えます。

そして子育てをする上で次に重要になるのが、親から子どもへの的確な指示を出せるかどうかです。そのためにはご自身のお子さんがどのようなタイプなのかを確りと理解しておく必要ながあります。その時に判断材料の土台となるのが最初の愛情が確りと伝わっているのか、社会性が育っているかをまず考えてください。

例えば愛情表現が乏しいと感じているならばどんな学びの前にもそのことを最優先した親子の時間が必要になります。また社会性が育っていないのであれば、どの部分が育っていてどこが育っていないのかを確りと親が見極めて対応策を講じていく必要があります。この二つの土台が確立できていなければ、毎回毎回注意をする連続になるので親子で疲れ切ってしまいその関係もギクシャクするようになります。そうならないためにも3歳までの躾と公共の場での立ち振る舞い、相手の立場になって考えるなど多くの社会性を身につけておく必要があることを親が自覚しておかなければならないと考えています。その2つが確りと育っていればそれから先の子育ては対処法の学習が中心となるので子供は順調に育っていきます。

母親として時には凛としてダメなものはダメと言える勇気を持つ必要性に疑問を抱かれておられる方もおいでですが、ダメは否定でもありますがその否定が必要なこともあるのです。3歳までに確りと育てていてもダメなことはダメと教えることも、そして時には叱らなければならないこともあります。その時に躊躇せずにこのような時が来たら確りと対応するということができるようにシュミレーションしておくことが賢い親の姿です。

例えばお友達の持っているボールを子供が強引に奪い取ったらどうしますか?子供の行動をダメと批判するのは良くないから強く出られないという親御さんがもしいるとするならば、それは子供に将来欲しいものは人から奪ってでも獲得しなさいと教えているようなものです。この例は極端なことかもしれませんが、親が子供に与えるべきことは人としてどう生きるか、どう自分自身を良い方向に向かい人生を歩んでいくかだと考えます。的確にいけないことはいけないと注意を促し思考させる指示を親が出せるように日頃から考えておきましょう。

お子さんの長所に目を向けることはとても素晴らしいことです。それと同様に子供の欠点を知っておくことやその欠点を長所に変えることができれば子供は大きく成長します。欠点がでたときにいつでも的確な指示が出せるように分析したり準備しておくことが子供をさらに成長させることになります。このような社会性を育む重要なタイミングに的確な指示を出せずに、子供の学習や能力を最高のものにしたいと考えて指示を出したとしてもこれまでの経験上必ず歪みが生まれうまくいきません。まずは土台を確り育ててから学習を積み上げなければならないものであることを認識することが、母親が認識すべき最重要部分です。

母親とはどういうものかと考えると愛情面も確りと育て、子供があらゆる場所や場面で適切な行動が取れる社会性を身につけさせることが役目だと考えます。そしてその2つには親としての知恵や叡智を集結させた的確な指示が出せる技術が必要だと考えます。そのような親の姿を見せていれば子供も親から何かを吸収し成長するでしょう。

これからを担う子供達には親を超える人物になって欲しいとの願いが強くあります。冒頭に親がしてくれて嬉しかったこと楽しかったことを思い出して子供と関われば川の流れのように良い流れを次世代に受け継ぐことができます。親のマイナスなことを良いものに置き換えて行えば、それは濾過した新しい清らかな水となり次世代へ流すことができるというものです。母親の役というのもはそのようなものであって、母親は新鮮な気持ちで子供と向き合い喜びを分かち合えるようにすれば一歩前進したことになるのではないでしょうか。

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