提案『子の自己評価は親の言葉掛けで出来上がる』

皆さんは子供自分自身が自らはこんな人物なんだと自己評価できる年齢はいつ頃だと考えていますか?子供自身が自分自身のことを客観視できるのは中学生以降だと言われています。

しかし小学校の子供達の中には「僕はこうだから」「私はこんな性格なんだ」というような発言をする場合があります。小学生以下という年齢の子供達が自分自身のことを俯瞰し客観的に見ることができない年齢にも関わらず、そのような発言をするということにいささか疑問を覚えたのはこの仕事を開始して数年経った頃からです。今回はなぜそのようなことが起こっているのかを考えてみましょう。

少し子供達の発達を考えてから本題に入りましょう。生まれたての乳幼児は勿論2歳ぐらいまでの子供達は身体発達や脳発達そして言語発達途中でありながらも既に感情というものが育ち始めます。あれがしたいこれがしたいという欲求が芽生え、そうだそうだと納得する感情やこうじゃないああじゃないのだと拒否する感情、また自立に向かって自分出したいという感情と共に自分でしたいけれどできないんだぁというような感情爆発など成長していく上でイヤイヤ期も訪れます。感情はどんどん湧き上がってくるのに言葉にできない歯痒さや苛立ちを抱え感情を行動で爆発させながら成長します。やがて言葉の獲得と共に社会性を学び自らの感情を言葉にすることができるようになり、年月をかけて自分を客観視できるようになる思春期を迎えるようになるのです。

本来は乳児期から14、5年という長い時間をかけて自分とはこんな人間なんだと判断できるようになるはずなのに、自分を客観視できるようない幼児期や小学校低学年の子供たちが自らのことをああだこうだと判断しているのは、子供自身の言葉ではなく他者によって聞かされ音符っとされた姿なのです。そしてその大役を担っているのが親なのです。

私は子供の自己形成について親御さんに話をする場合、親が子供に話しかける言葉のまま子供は実行するものであるとお伝えしています。

例えば「我が子は親の話を聞かず自分勝手になんでもしてしまう子供だ。」と子供に伝えてしまうと、子供自身が自分はそのような行動をする人間なんだと思い込んで親の言葉通り実行をするのです。これは不思議に感じる方も多いと思うのですが、子供は本当に素直で純粋なので親の言葉を疑うことなく良いことも悪いこともそのまま実行に移すのです。

20年以上前のことですがある親御さんが「うちの子は乱暴で困る」という発言を常日頃行いとうとう幼稚園でお友達に手をあげてしまったとの相談を受けました。その時に私がお伝えしたのは「うちの子は力強いけれど心根は優しい」と伝えてはどうだろうかと提案しました。すると暫く経ち幼稚園での生活がガラッと変わり始めたというものでした。力任せに行動していたのが周りを気にし出しオモチャの取り合いの仲裁に入っていたとのことでした。この時に親御さんと話したのは、やはり子供のマイナスな部分をどのようにして良い点に切り替え子供に伝えていくかということ、そしてその重要性でした。


幼い子供達が自己評価を口にしているのは『親の発言』そのものなのです。ですから子供に授ける言葉は子供のチャームポイントや子供の将来に役立つであろうものを授けるべきなのだと考えます。

例えば「あなたは笑顔が素敵な子ね」と育てると本当に人の印象に残りやすい笑顔を出せる子供に成長しますし、「物事を深く考える子ね」と声をかけ続けると一つのことを探究し続ける子に育ちます。また難しいことにチャレンジして何度も諦めかけた子に「あなたなら必ずできるよ」と伝えるとやり遂げようと頑張る子になります。そしてその頑張りの先に結果を見出したならば「努力を積み重ねて到達できたね。あなたならできると信じてたよ」と伝えると自分は努力家で最後までやり抜く力があるんだと自己評価するようになり、親から与えられた自己評価が次の行動にも生かされるようになるのです。日本には言霊という言葉がありますが言葉にはものすごい力が詰まっているものだと不思議な気持ちにもなります。私たち大人は子供に掛ける言葉が、子供の自己評価に直結していることに責任を持たなくてはならないということに気づかなくてはならないと痛感します。

子供自身が自分を理解するはるか以前に実は親が子供を判断して、子供に掛けた言葉によって子供が作られていくということが毎日ご家庭や保育園や幼稚園学校で行われているということなのです。

マイナスな言葉を掛けられて育った場合の傾向として、どうせ僕はこうだから。何やっても私は下手だしできないし、長続きしないし、すぐ諦める弱い人間だなどといったことを育ててしまうのです。私は仕事柄親御さんには子供の弱点を強化するためにマイナスな点を指摘しなければなりません。子供自身にも必ず長所を伝えた上でその弱点を強みにするよう言葉をかけています。その方法をお母様方にも活用してほしいと考えます。

言葉の理解力がまだない子供が自分自身を否定的に捉える状況は明らかに好ましくありません。よって親御さんは言葉を選んで考えて子供が朗らかに前向きに物事を捉えることができるよう言葉掛けを行なってほしいと考えます。いやすべきです。

子供の秀でていることはありのままに受け入れて肯定的伝え続け、変わってほしいことについては好転的に実行しやすいような素敵な言葉に置き換え言葉掛けをすればよいのです。そうすれば子供は素直にまっすぐに育っていくのです。

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