絵本『3びきのかわいいオオカミ』

この作品を読む前段として『三匹の子豚』を読んでおく必要があります。なぜなら『三匹の子豚』に登場するオオカミは子豚たちの家を壊し子豚たちを襲う悪者として扱われているからです。それに対しこの『3びきのかわいいオオカミ』はオオカミが一生懸命に力を合わせて作った家を思いもよらない方法で壊していきます。ブタはとんでもないわるブタとして描かれています。そのオオカミとブタの立ち位置が違いに意表をついた作品です。その意表をつくということを子供達は既成概念を根底から覆す良質な驚きとして捉えることができる作品です。明日の子育てサジェスチョンは『良質な驚きがもたらす脳刺激』として記事アップになります。その良質な脳刺激の作品としてこの作品を取り上げました。

『三匹の子豚』の教訓が短時間で簡単にものづくりを仕上げてしまうよりも時間や手間を惜しまずじっくりと作ったものは丈夫なものができいざという時に役立つということを直接的に子供達の中に浸透していきます。要するに勤勉に物事に取組むことを間接的に学ぶべき物語として存在しています。まさにこの作品を読む年齢の子どもたちは勤勉さを身につける発達段階にあります。

一方今回の『3びきのかわいいオオカミ』は頑丈なレンガで建てるもわるブタにハンマーで打ち壊され、次にコンクリートで作るもドリルで穴を開けられ破壊、鉄骨や鉄条網で作るとなんとダイナマイトで爆破されます。どんなに堅牢なものを作り上げてもことごとく破壊されてしまいます。そして最後に行き着いたのがバラ、さくら、ヒマワリ、ヒナギクなどの花々。わるブタはその簡素で美しいものさえも壊そうとするのですが・・・物語のクライマックスは手元に引き寄せて物語をお楽しみください。

どんなに備えていても心無い敵から攻め込まれてくるとどうにもならないという今地球上で起こっている争いと類似しているように思います。自国の利益や政治維持のために過剰防衛として隣国に過剰攻撃したり、国際法を無視した行為の繰り返しにどうすべきなのかを考えさせることのできる『三匹の子豚』よりもさらに時代に即したランクアップの絵本であることは間違いありません。世界のあちこちで起きている第三次世界大戦が起こるのではないかという火種がある時だからこそ親子で読んで思考を深めてほしいと考えます。

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