提案『笑顔の獲得』

子供の脳を育てる方法を探せば今の世の中いろいろなものが見つかるものです。数十年前だとフラッシュカードを見せたり、聞き流しの英語教材を耳からインプットしたり、暗記や暗唱をさせたりと学習に関することを主軸に多くのことが論じられましたが、昨今では脳を育てるための研究が進み、人間の生まれながらにして持ち合わせた能力に働きかけをすることが重要であり、さまざまな学習力と相互的に育てると良いことが分かってきました。

その中でも笑顔育てが脳に良質な刺激を送り相乗効果で能力のみならず、ナチュラルキラー細胞という免疫力を司る細胞を活発にし、免疫力を高めることも周知の事実となっています。

しかしこのようなことが分かっていても意識して子育てに結びつけ実践しておられる方は少ないような気がします。私が乳児を持つお母様方に繰り返し伝えていることの一つが、生後4、5ヶ月で声を出してケラケラと笑い声を上げるように育てほしいということです。

今回は新生児から幼児期までに獲得させるべき笑顔を段階別に解説して参ります。

笑顔を誰彼構わず振り撒けば良いというものではなく、笑顔獲得の最終形には2つの重要な目的があると考えながら子供の将来に華を添える笑顔の獲得であってほしいと考えます。この2つの目的をイメージしながら成長の時々に合わせて働きかけを行いましょう

まず一つ目の目的は『逆境の中にある時にこそ笑えということ』

楽しいことや嬉しいことがあれば誰しも思わず笑みが溢れるものですが、その真逆にある失敗や苦しみの中では笑顔は出ないものです。しかしありのままの事実を受け止め、気持ちを前向きに切り替えて、逆境の時にこそ笑い飛ばして前進する強さを持たせることが物事をポジティブに捉え、失敗を次の挑戦に繋げる強さになると考えています。人生には予想だにしないことが起きるものですが、その時にこそ笑顔で物事に当たれば人生は開けることを実践してほしいのです。常に微笑みを湛えている子供には生きる力があります。


またもう二つ目の目的はは『笑顔溢れる中心に身を置くこと』

笑顔を獲得することのメリットは笑顔のあるところに人々は惹きつけられ、様々な喜びやチャンスが呼び込まれます。笑いの中心に子供がいることができればもうその段階で恵まれた環境の中にいるということになります。『笑う門には福来る』『笑いは人の薬』『笑って損した者なし』『平和は微笑みから始まる』『楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ』『泣いて暮らすも一生笑って暮らすも一生』など笑顔にまつわる言葉や文章が残っていることからしてみても笑顔の真理は思いの外幸せを運んでくるものだ感じています。

この2つを将来の目的として乳児期から笑顔の獲得に向けて働きかけを行なっていきましょう。


1、新生児の生理的微笑

この世に生を受けた段階で新生児は寝入りばなや眠っている間に1〜2秒程度にっこりと微笑む生理的な微笑を行います。これは天使の微笑みという感情に左右されない反射的な反応で、嬉しい楽しい心地よいというような外的要因からくるものではありません。

しかし生後間もない頃の起きている時間が短いこの時期から起きているわずかな時間に母親から微笑みを送られることによって社会的微笑みの種蒔きがスタートされます。かなり早い段階ではありますが、微笑みを受けるこの時期が最良のスタートタイミングだと考えます。

眠っている時間が圧倒的に多い新生児の反応はかなり少なく働きかけを実感できる実感はないに等しいものですが、成長は見えるものばかりではないので水面下の子供の成長を信じて、ひたすら笑顔を送り続けることに努めてほしいと考えます。



2、生後2ヶ月以降の微笑み

生後2ヶ月になると先述の天使の微笑みは見受けられなくなります。しかし新生児から母親によって送られてきた微笑みによって、抱かれた時やあやしてもらった時に表情だけでニコッとする社会的微笑みが出現します。この反応は母親から微笑みを送られた乳児が比較的早い段階で出すもので確実に社会的微笑みが構築された証です。この頃から話しかけをしコミュニケーションをしっかりととるようにします。子供の微笑みが出てこないからと言って諦めるのではなく、微笑みを貯める器が大きいのねと気持ちを切り替えてどんどん微笑み掛けを行なってください。



3、生後4ヶ月の声出し笑い

新生児から続けて笑顔を子供に送りあやしていると乳児は声をあげて笑うようになります。一般的に声を出して笑うのは生後半年ごろと言われますが、新生からの働きかけは確実にその期間を充実させているので前倒しでの反応が出てくると同時に、脳育てをしていると思われる反応も出現することがあります。

例えば特定の言葉を語りかけているとその言葉の意味を理解しているかのような応呼が見受けられるようになります。母親のかける言葉のバリエーションの違いを認識しているという場面を何度も見かけてきたので、やはり語りかけと微笑みをセットにするとコミュニケーション能力の育ちも感じることができるようになります。



4、生後8ヶ月ごろの人見知り

生後6ヶ月頃から人見知りや場所見知りをする子もいますが、一般的に生後8ヶ月頃に反応が見受けられるようになります。無表情になったり、黙って直視したり、中にはすぐに泣き出したりする乳児もいますが、この頃は親や家族身近な親しい人との喜びを分かち合う育ちが出現し、相互に依存関係を持つ集団帰属のタイミングを迎え人見知りが激しくなります。抱っこしてほしいなどと手を伸ばしてきたり足にまとわりついたりなどの甘えがありますが、母親を強く求める欲求が出現します。この時期の人見知りは発達上必要なものであり、人見知りが激しく泣いても子供が安心し泣き止んだり、抱き抱えられて安堵する様子が見受けられればそれで良いのです。乳児の安堵して満足できる状況を作り笑顔を引き出してあげましょう。

またこの時期はなかなか笑顔が引き出せない状況になる場合もありますが、諦めずに笑顔のコミュニケーションを図るようにしてください。



5、1歳前後は大人主導で笑わせる

大人主導で楽しい時や嬉しい時には笑顔を作り出していいんだよという経験を育てることが必要なタイミングです。楽しい嬉しい面白いという感情を素直に表現することは心満たされるものなんだと多くの遊びを通して、いろいろな人の手を借りてえがを引き出してあげるようにします。

『たかい、たかい』『いないいないばぁ』『こちょこちょくすぐり』など楽しいという方法を工夫しながら笑わせてあげましょう。脳の中には感情に関する神経細胞の扁桃体という部分があり、嬉しい楽しいという快楽を得ると反応して前帯状皮質を刺激することで笑顔になり、脳に良質な刺激を与えると同時に心の安定も図ることができます。「満面の笑みを浮かべていいんだよ」「君の笑顔は素敵だね」と常に声をかけてあげることも忘れないようにしましょう。『私の笑顔って素敵なの?素敵なのね』と思わせることも親の役割かもしれません。


6、子供自ら行動笑いを生み出す

子供自ら行動を起こして笑いを生み出す時期が来ますが、個人差があり1、2歳ごろと考えておきましょう。コップの水をこぼして笑うことを繰り返してみたり、積んだ積み木を崩して喜んだり、引き出しの開け閉めを楽しんで喜んだりと親が困るようなことを楽しんで笑顔を振りまいたりします。親にとっては困った行動であっても子供自ら行動して新しい発見や笑いをとりにくる発達時期だと考え、安全であることや大惨事を招く悪習慣にならなければそのまま実行させひょうきんさを身に付けさせたり、脳への良質な刺激だと考えて存分にその行動をさせてみることが必要な時期です。親は否定的な発言や行動を起こす前に子供がどのような行動を取ろうとしているのかの真意を考えるようにし、子供と共に楽しむくらいの心の余裕を持ちましょう。



7、おふざけや茶化すは知能の発達時期

とにかくなんでもおふざけや茶化すことに転化する時期がきます。我が家では「お風呂の時間だよ」というと「入らない」と言葉を返し、やっと入浴したかと思えば服を着たまま入っていたり、「寝る時間だよ」といえば「寝ない」と言って枕をビーチ板代わりにし足をバタつかせてベッドの上を泳いでいたり、朝食の時に早くご飯を食べてほしいのに白ごはんに穴を掘ってふりかけを少量ふりかけ「蟻地獄の出来上がり」と遊んでみたりと、何をするにも親の想像する真逆の行動をしスムーズにことが進まず時間追い立てられる時期を過ごしました。

子供自身はちゃんとするべきことを理解しているにも関わらず、そのルールから逸脱することを思いっきり楽しむのです。これも親の目線で考えると本当に困った行動なので笑えないのですが、子供がほんの少しルールを逸脱することを経験しこれでは良くないのかもしれない、おふざけも茶化すこともこの程度にしておかなければという気づきの種まき時期でもあるのです。そのことを考えると「何してるの‼︎そんなことしたらダメでしょ。いい加減にしなさい。」と言いところをグッと堪えて様子を見守るということが必要になるのです。


子供の笑顔を引き出しながら強く逞しい前向きな子供に育てるためには、何をおいても親が子供に笑顔で向き合うことが重要であることは言うまでもありません。よく笑う子に育てることができれば子供の未来は前途洋々明るい人生になることは間違いないと断言しておきます。


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