提案『入園前の親の心構え』
初めてお子さんを保育園や幼稚園に送り出す親心は十人十色いろいろな思いがあるはずです。
「我が子は大丈夫だろうか」と不安な思いを抱く方、「やっと親から自立して小さな社会に飛び立つのね」と感慨深く思う方、仕事との両立に不安になる方、やっと自分の時間が持てる少しの時間休息ができると思う方もおられるでしょう。どのような思いがあったにせよ子供を小さな社会に送り出すにあたっては親としての心構えについて考えておくことが必要です。
1、親の不安を捨てる、先生との関係を築く
最近まで直に子供を見る環境にあったた親御さんは園にお子さんを預けることで見えない部分が出てくることに不安を少なからず持つことでしょう。私もそうでしたが子供が園に馴染めるかどうか、困ったことがある場合に子供自身が対処できるか、またできないことがある時に助けを求められるだろうかと不安が募りました。しかしこのような親の不安な気持ちは必ず子供に伝播します。よって親は園の先生との良い関係を築き自らの不安を「ケ・セラ・セラ」とあっさりと手放せるようにする努力をする必要があります。
また自ら保育ができない分先生との関係性を良いものにするためには、先生への尊敬の念を持ち感謝する心を忘れないということが重要ですがその思いを言葉にしておくことが重要だと思います。近年保育費を支払っているからと要望を次々と出すのが当たり前や自らの意見と違うからと批判をする、またアクシデントをきっかけに過剰に先生を責め立てる事案を残念ながら耳にすることがありますが、こうなると信頼関係が保てないので良い保育には繋がらない可能性があります。先生も保護者も、子供と子供もお互い様というような互いの意見を主張し過ぎずに話に耳を傾け合うことができるような関係性を忘れてはならないと考えます。
2、子供は泣くものだ
多くの親御さんが初めて園に子供を預ける時に後ろ髪を引かれるのは、別れ際に子供が不安そうな顔をしたり泣き出してしまった瞬間ではないでしょうか。その様子に胸の奥がキュンと痛くなる思いをするでしょう。がしかしその泣くという行為の裏にあるものは、これまで親御さんがしっかりとした愛情を伝え我が子を大事にして親元が子供にとって居心地のいい場所であり安全な場所であったという証であるのです。親御さんは子供の泣くという行為をマイナスに捉えずプラスに考えこれまで子供にかけていた愛情がこのなく行動に繋がっているご褒美だと捉えましょう。中には自立心や好奇心に溢れ泣かない子もいますが、その場合も親御さんは泣かないから愛着形成が育ってないというわけではないので自立心や好奇心を育めたんだと解釈しましょう。
3、心を鬼にし毅然とする
お子さんの中には園に行きたくないという子供もいるでしょう。そのような場合には毅然と「園にはいくものだ」と心を鬼にしなければならないこともあります。特に人見知りや初めての場所にいくことを拒む場合になどに顕著に現れるものですが、その場合にはやはり事前に園に行く準備をさせる必要があります。慣らし保育をすることも然りですが、園決定をする段階で数件園を回ることが可能であれば子供に園決定をしてもらうのも良いでしょう。また園に通う準備を親子でしたり、園はとても楽しいところだという認識を育むために絵本を活用しても良いでしょう。親が少しでも子供の不安感情に揺さぶられてしまうと通園する度に親子で苦しくなってしまうので、ここもあっさりと毅然として間髪入れずに「行ってらっしゃい」と笑顔で別れる決断をしましょう。そしてお迎えの時には満面の笑みで「迎えにきたよ。お帰りなさい」とこれでもかという愛情表現をすることが効果的です。そして帰宅途中に「今日はどんな楽しいことがあったの?」と尋ねてみましょう。それが習慣化すると園で経験したことや起きたことを楽しそうに話してくれるようになります。楽しい事を話していると翌日も楽しい記憶を得ようと子供はその方向へ心を動かすようになります。またこの取り組みは記憶のアウトプットになり思考力にも繋がります。是非行って見てください。
4、自信を持ってポジティブに送り出す
私が子供達を送り出す時に心掛けていたことは「今日は素敵な1日が待ってるね」と背中をポンポンと叩いて送り出すことでした。私は言葉は生きていると確信しているので「何か良い事があるかも。それを探しておいで」という声掛けもしていました。そして背中を後押しするという意味で軽くポンポンと押し出すというイメージで行動も付け加えていました。これを続けていると不思議と子供の不調が分かり出したのです。園からの連絡で「お母さん微熱が出ました。お迎えお願いします。」がわかるようになりいつもと違う状態を察知することができるようになり親子は互いに通じ合っているのだなと感じています。
自信を持って送り出すことは親側からの一方通行ではなく、子供にもその想いが通じ親子ともに何かを感じ取る相互通行ができるのだと思います。
5、朝の忙しさは前の晩の準備で決まる
親御さんが共働きの場合かなりこの朝の忙しさはドタバタが予想されます。またその忙しい時に限って子供達は『何やら何なのどうして今なの』を起こしがちです。私はこの経験をおそらく他のお母様以上に経験をしているという自負があるのですが、その子供のドタバタに振り回された結果修養したのは『子供というものはここぞという時にドタバタで親の人格を試してくるのだな』という事です。最初は私も「キャー、ギャー」と声をあげていましたが、気持ちを切り替えて「そうですか、こうくるのですね」と理性を保って対応するようになると子供の気持ちや成長が見えてきました。この経験は自分の人生を大変豊かなものにしてくれたと感じています。
そしてその経験上辿り着いたのが朝の忙しい時にこそ、大切な場面にこそ何が起きてもおかしくないという考え方を持ち、どのようなことにでも対処できる準備をするという悟りの境地です。そして悟ったら前の晩に趣味レーションをし準備を怠りませんでした。例えば前の晩にそれぞれのトレーの上に朝食用の食器をのせておき、冷蔵庫には朝食べるものをひとまとめにしたボックスを取り出せばいい状態にし、調理器具と調味料もコンロの上にのせておくなどし徹底的に効率化しました。またお弁当は前の晩に作っておき冷蔵や冷凍し、朝そのままお弁当箱に詰めるなどすることもありました。また牛乳やお茶を溢すことも想定し布巾は必ずテーブルの上に準備し、予備の着替えもハンガーにかけておきました。抜かりなく準備することが朝のドタバタを軽減できる最善の策であることは間違いありません。そして常にドタバタは起きるものとして親御さんが心を決めドタバタを楽しむ心の余裕とニッコリ笑顔を心がけることが重要だと考えます。
6、慌ただしくとも子供の心と気持ちに向き合う
帰宅後はわずかな時間でも朝のドタバタの忙しさを補うという意味と今日の園での出来事を話してもらうという子供の心と気持ちに向き合う時間を持ちましょう。私の場合にはお迎え時と入浴時、寝る前の絵本の読み聞かせ前に行っていました。幼少期からこのようなことを行っていると成長してからは食事の時にいろいろな話をしてくれるようになっていました。
忙しいからこそしっかりと子供と向き合う時間は必要だと考えます。特に男の子の場合には話を全くしなくなる場合や激しさを増す時期が来る可能性もあるので親子で何でも話し合える言い合える環境を作っておく事が重要だと考えます。
7、子供の発達に必要なことは容認する
忙しい子供自身がしなければならないことに親が加勢をしてしまうことがあります。朝の忙しい時には致し方ないこともあるでしょうが、できるだけ子供には発達上必要である自分のことは自分でするという促しを親が奪ってはならないと考えます。子供が靴を自分で履く発達期を迎えたら子供が靴を履く時間を逆算して対応する事が重要であると考えます。時間がないではなく時間を作る事が親のすべき事だと考えます。
8、忙しい時にこそ失敗しても怒らない
朝の忙しい時の子供の失敗は親としても手痛いものです。しかし子供の成長には失敗はつきものであり、失敗を積み重ねて一つのことが上達する事を考えると失敗は必要不可欠であり、失敗した時にこそ子供は成長するのです。しかし忙しいときに失敗されると親も感情的になりがちです。しかしここはグッと堪えて成長のチャンスなんだと捉え片付け方を教えたり、次に失敗しない方法を考えさせたりアドバイスするなどすることが怒るよりも遥かに子供を大きく成長させることになります。
また子供の自立心の育みの時には親の思い通りにならないこともあります。その時にも親の器が試される時とお考えになると良いでしょう。子供には子供の意見や考えがあり、頭ごなしに「〜しなさい」と伝えても反発しか返ってこなくなってしまいます。どうしてそれをしなければならないのかを丁寧に教え聞かせ諭さなければなりません。
9、常に緊急時に備える
子供は熱を出すもの病気になるものと考えておく必要あります。また通園すれば必ず何かしらの病気に罹患することはありますから、かかりつけ医を小児科や耳鼻科は決めておかれると良いでしょう。また共働きの場合には診察券を2枚発行してもらえることもあるらしいので親御さんそれぞれ持っておかれても良いかもしれません。(かかりつけ病院でご確認ください。)
また私が特に気を付けていたことは免疫を落とさないということで発酵食品を多く摂取させていました。また乳児期から手で口や鼻、目を触らせないという事を発達以外の手の癖を身につけさせないという事を徹底的にすることで手からの感染リスクを減らせることができます。直に飛沫感染を受ける時にはどうすることもできませんが・・・
10、疲れた時には手抜きをしても
頑張り屋のお母様ならば手抜きをしないということのあるでしょうが、手を抜かないにしても効率化を図ることが時間を作り出すことに繋がるので家事という点では楽になるでしょう。どうしてもの時には思い切って外食やUber Eats を頼むのも良いでしょう。
11、本当に疲れた時には誰かに代わってもらう勇気
共働きの場合には夫婦共同で子育てに取り組まれる方も多いと思いますが、仕事と家事のバランスをうまく取りながら夫婦間での労りがとても重要だと考えます。この労りは必ず子供が見ているので疲れた時や困った時にはお互いを気遣い家事を補い合うことをしていれば、夫婦間も家庭の雰囲気も良いはずです。またどうしても夫婦間で対応が難しい場合には両家のご両親を頼ることや専門のファミリサポートをしてくれる機関を頼ることも一つの手だと思います。
12、急ぎなさいとせかさない
『7、子供の発達に必要なことは容認する』と重複することもありますが、子供が成長するにはゆったりとした時間の中での試行錯誤や実験をする時間が必要です。子供達はその時間の中で思考を育んでいく大きな学びのチャンスでもあります。しかし毎朝子供たちの支度に時間がかかるとなるとどうしても親が子供の世話をし過ぎてしまい子供の成長のチャンスを逃してしまうこともなります。また慌ただしい時間の中で子供を急かしてしまう場面も多くなるります。子供の発達はじっくりゆっくりが基本ですから急かしてしまうことはその発達とは相反することなのです。子供が自分のことを自分で行う成長段階にあっては親がその時間を逆算し待つことも必要です。もしそこに時間を充てることが難しいというならばできる時間帯に待ってあげたり、週末に練習を促す時間を設定することも必要だと考えます。そして忘れてはならないのが子供を急かす時の親御さんの表情が硬いことです。この表情の硬さが子供にとっては違和感を感じたり威圧になったりするのでどうしても急いで欲しい時には、無理にでも笑顔をつくり子供が笑顔になるような言葉掛けをする事をお勧めします。
13、ゆったりとした時間をもつ
『6、慌ただしくとも子供の心と気持ちに向き合う』と重複しますが、毎日の時間の中でゆったりした時間を持つことが就寝前にあると安心して子供は眠りにつくことができます。どうしても寝る前も慌ただしく難しい場合には週末や休みの前の晩にゆっくりとした時間を持つことが親子のコミュニケーションを取ることができ子供の情緒安定にもなります。
また共働きの場合週末は日頃できない家事に時間を費やすことも多くなりがちですが、その中でも親子のスキンシップをとることができるような時間をお勧めします。
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