提案『SDGs No.3 飢餓を考える』
昨日は絵本を通してSDGsを考えさせる取り組みとして昨日の絵本を取り上げました。(昨日の記事はこちら)子供達が飢餓問題を学ぶにあたり「年齢に応じてわかりやすく」「共感を育てる」「自分にできることを考えさせる」ことが大切なことは皆さんお分かりだと思いますが、その前段階の幼児期にその学ぶ土台をしっかりと作っておくということが重要であることを意識されている親御さんは少ない様に思います。つまり『飢餓問題とは何か』と幼児に問うことは飢餓という言葉一つをとっても大変難しいものであり、小学生になり飢餓問題を学ぶ以前に幼児期にしっかりと育まなければならないことが存在します。
今回は幼児に向けて飢餓問題を考える前に育てておかなければならないことを記事を記してまいります。
本題に入る前になぜ幼児が飢餓問題について理解できないのかを記し、幼児期にすべきことを記してまいります。
1、実体験できないことは理解が難しい
飢餓問題とは単純に人が十分な食べ物を手に入れられず、お腹がすいたまま生活している状態ですが、日本の幼児はご飯が食べられないという危機迫る困窮状態にはありません。しかし世界的には食料が十分にあるにもかかわらず、分配の不均衡や戦争紛争、自然災害、気候変動、貧困などにより飢餓に苦しむ子供たちがいることは理解が大変難しいことです。事実教室に通う生徒さんはその様な話をしてもピンとこなかったり、自分たちとは関係のない遠い国のことであると思っています。しかし親御さんでも3食をまともに食べられない子日本の供がいることを理解していません。長い間まともな食事ができず、体が弱くなったり病気になったり、時には命を落としてしまうなど短いない現実にピンと来ていませんし、深刻な問題として捉えることが難しいのです。
2、飢餓が起こる原因を理解できない
飢餓ということを知らなければ世界で毎日食事ををしっかり摂取できない人が何億人もいて、その原因自体を理解できていません。貧困=お金がない、戦争や紛争で自身の命を守るために逃れるため農作物を育てたり家畜を飼うことができない、自然災害や気候変動で作物が育たない、世界的に見て食べ物は足りているにも拘らずアフリカや南アジアでは食料が行き渡っていないという不平等であることを理解させることなどは、幼児に一気に説明して理解できるものではないのです。しかし飢餓問題について考えてもらうならば飢餓問題に結びつくいくつかの言葉を理解しておくことが必要です。つまり子供自身が掴み取ることができない言葉は、親が時事問題を意識しておりに触れて伝えることが子供の意識を育てていくことになります。
私が実践していたことは日々のニュースや新聞で取り上げられていることを噛み砕いて子供に伝えることでした。少しずつ問題を説明し理解を深めていく時事問題を強化することは子供の中に問題意識や関心を持つ持つことにダイレクトに働きかけることができるのでこの様な働きかけを家庭で行うべきだと考えます。
3、難しい言葉は理解ができない
実体験が伴っていない或いは初めて聞く言葉に関心が持てない場合には、言葉を耳にしていてもその言葉の音(発音)さえも耳に残らないことがあります。つまり言葉に対する敏感さが無ければ聞き流されてしまうということです。この聞き流しをなくすためには難しい言葉を易しい言葉で伝えて、関心が生まれるように働きかけをしなければ軽く受け流されてしまいます。幼児にはスモールステップで分かりやすく何度もその易しい言葉で伝え、その意味を理解させることが重要になります。
では早速どのように働きかけをしていくのかを具体例を挙げて提案してまいります。
① 好きな食べ物を描かせる
飢餓問題を子供達が自分のこととして捉えることができるのは『自分自身が好きな食べ物が食べられないとしたら』いうことを考えさせる必要があります。そのことを理解させるために自分の好きなものは何かな?その絵を描いてみようという働きかけをまず行います。
単純に好きなものを絵にして好きだなという気持ちを持たせた上で、もし食べることができなくなったらと考えさせ、悲しいという感情が生まれたら飢餓問題の入り口に立つことができます。
② 好きなものが食せることに感謝できる実食
①で好きなものが食せない=悲しいという感情を持たせた上で実際に食させると、これまで何も考えずに食べていたものが一変して食するこができる幸せを実感します。と同時に食べ物に対しての感謝が生まれます。当たり前と思っていたことが当たり前ではないという思考に至ることは子供のこれからの人生を考える上でとても重要なことです。
③ お腹がぺこぺこを考える
好きな物を食べることができない悲しみを考えたら次に考えさせることは空腹の辛さを理解させることです。お腹が空いているのに食べるものがなかったらどの様な気持ちになるのか、何日も食べるものがなかったらどうなるのかを考えさせましょう。そして世界で飢餓に苦しむ子供の存在を伝えます。子供の通う幼稚園でおにぎりだけの粗食の昼食がありましたが、これは子供にとって良い学びだったと今でも思います。おにぎりさえも味えない子供たちが世界には存在することは勿論、安全な水さえない状況を認知する考えさせることも重要だと考えます。そして飢餓に苦しんでいる子供たちに共感する心を育てましょう。
④ 好き嫌いはわがままであることを知る
子供達に好き嫌いを言わずにちゃんと食べなさいと伝えても嫌いなものは食べないということは起こりがちですが、お腹がぺこぺこでも食べるものがない子供達の痩せ細った写真一枚を見せると「可哀想」という気持ちや言葉が出てくるでしょう。食べ物のありがたみを知ることと同時に食べ物が命に直結することを理解し、自分自身の恵まれた環境に感謝し出されたものはしっかりと食べるという行動に繋げてほしいと考えます。
⑤ 優しい気持ちと責任感を育む
飢餓に苦しむ子供達の存在を知った上で自分自身の行動に責任を持たせることは重要だと考えます。つまり知識と知っているだけでは思考の深さには至らず、実行して初めて責任感を持った行動に至ることができるのです。そして幼児期は世界の子供達がお腹いっぱいに食事ができるようにと願う気持ちを持ち続けられるように導いておきます。
⑥ 優しい言葉に置き換えた絵本を活用する
飢餓、貧困、戦争、紛争、自然災害、気候変動、分配の不均衡、フードロス、フードバンクといった言葉は使わずに子供達が理解しやすい言葉に置き換えて状況を理解できる易しい表現にし会話をしながらこの飢餓問題を教えていきます。そして何よりも多くのことを一気に伝えようとせずスモールステップで絵本などを活用しましょう。絵本を使用することで難しい内容が子供の心に届きやすく理解の足掛かりとなります。
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