提案『大きさを測る No.2広さ』
3歳になりたてのTくんが「海は広いな、大きいな」と歌う度に「そうだよね。広いし大きいよね」と納得するところがあります。「広さ」と「大きさ」は似たような意味で使われることも多いものですがニュアンスや使い方には違いがあります。
「広さ」は面積・空間の拡がりを指す言葉で主に「面」で広がっているものに対して使われます。一方「大きさ」は物のサイズ・寸法・量などの全体的な規模を指す言葉で、面積だけでなく「体積」「長さ」「高さ」などあらゆる次元の「サイズ感」に使うことができます。つまり土地や部屋などの平面的な広がりには 広さを、サイズ感や規模などの全体的なことを指す場合には大きさを使用します。まずこのことを基本に広さについて提案記事を記してまいります。
1、広さを実感する
① 雄大の風景や光景に触れて実感
広さを単位で考えさせるためにはその前に広さを感じさせるということが重要であると考えます。我が家でやっていたことは旅先の高原や山で寝転んで麓を見下ろしたり空を眺めたり、海でぷかぷかしながら空を眺め、船に乗り遠くの島を眺めたり、朝一の大きな露天風呂を独り占めさせたり、星降る夜空を満喫させるなど視覚でその広さを抑えまたスケール感を味わてもないながら気持ちも大きくなる経験は、広さという基本的考え方を感覚で理解することができます。
② 体を使って実感
体を使って行ってほしいことの一つに広い狭いという概念を体感させるということです。その意味を理解できたら広さを体感させる取り組みに移ります。我が家では防音用のパズルマットを用いて各部屋に敷き詰めて枚数の多い方が面積が広いということやマットの上を歩き、寝転び、転がって時に跳ねて広さを実感することをさせていました。マンションにお住まいの方は持っている方が多いので一度試してみてはいかがでしょうか。またレジャーシートを畳の1畳サイズにカットしてリビングのサイズを測ることも行いました。以前お寺のお子さんがおられましたが座布団を敷き詰めたというお話やご祖父母のお風呂場のタイルを数えてみたという生徒さんもおられました。身近にあるものや場所を使用して広さを確認することも体を使って学ぶので面積の理解が早まります。
2、手で実感させる
大きなものを見た経験を手元の小さなもので大きくする経験をさせましょう。例えば丸めた粘土やクッキー生地を大きくのばす経験や折り紙、色画用紙、布などを貼り付けて面積を広くするなどを行うと広がりを実感することができます。
お勧めはクッキー生地やピザ生地で大きさの違うものをいくつか作り広げて比較をさせましょう。幾つかのサイズで比べて「広いピザから丸いクッキーは何枚取れるかな?」「切るときは何等分にしようかな?」など楽しさと作る喜び美味しさを兼ね備えた取り組みで学びが印象深く残るでしょう。
3、学習直前に行うこと
① 折り紙を並べて
小さな2、3歳の子供が折り紙を机の上に並べて広さを理解させます。多少ずれが生じますが気にせず全面に並べて何枚並べられたのかを数えさせてみましょう。そして年齢が上がるごとにその折り紙のサイズを小さくしていきます。
② 色画用紙や折り紙を正方形や長方形に切って
色画用紙や折り紙を先ずは一辺3cmの正方形サイズの色画用紙や折り紙を使用して机やノートなどの上に並べ、2枚の正方形を使用して長方形を作り同じように並べ、机の上にどれだけの枚数が入るか面積を確認する取り組みを行います。最終的には1㎠のサイズの折り紙を使用してみましょう。
③ タイルやレゴブロックを使用して
面積の単位学習を始める前に身近な物を使持ちいて学ばせます。テーブルや机の上に何個のタイルやレゴブロックを並べることができるのかを緻密な並べを行わせていきます。タイル1枚 = 1㎡、1レゴブロック=1マスとして面積を数え視覚的・触覚的に面積というものの意味を確かめさせます。
4、小学校1年生〜から3年生までを徹底復讐を
広さの単位を表す面積の単位学習は小学4年生で行われます。それまでに小学2、3年生で長さの単位や各図形の特徴や特性を学んでから面積学習に入ります。よって小学校2、3年生の学習を押さえていなければないません。そのことを踏まえた上で単位学習に入っていくことを念頭に入れておいてください。
5、方眼紙のマス目を使って面積を数える
① 方眼紙のマスを数える
方眼紙を使って「何マス分あるかな?」と数えることで、数える=面積の理解につなげていきます。つまり方眼紙を使用するこのタイミングでは掛け算を習得しておく必要があるのです。縦3cm横6cmの長方形なら18マス 必要になるということで→自然にとかけ算=面積が成立することに気づくでしょう。
② 面積の単位学習
面積の単位にはどのようなものがあるのかを確認してもらいます。㎠(平方センチメートル)、㎡(平方メートル)、a(アール)、ha(ヘクタール)、㎢(平方キロメートル)は後々単位換算でしっかりと学んでもらいます。単位の箱を使用して覚えてもらうこともありますが、先ずは単位の関係性を学ぶ取り組みを行うようにします。例えば1㎡はどのくらいの大きさなのかを新聞紙を用いて確認させます。
③ 図形同士の関係性を学ぶ
図形の関係性を学ぶには図形の名前や特性を理解していなければなりません。例えば三角形には正三角形・二等辺三角形・直角三角形・直角二等辺三角形・そして4種類に当てはまらない三角形の存在があります。また台形も等脚台形・直角台形・いずれにも当てはまらない台形があります。このようなしっかりと理解した上で図形を見極める力あっての図形同士の関係性を学ぶことになります。
正方形と直角二等辺三角形 、長方形と直角三角形、長方形と台形、平行四辺形と三角形などの関係性を理科した上で図形パズルの操作を行います。ここに記したもの以外の図形同士の関係性もあるので応用力の地均しをパズルなどの教具を用いて行います。
また同じ面積でも形が異なる思考を促す必要もあります。例えば方眼紙を使い「面積12マスの形をできるだけたくさん作ってみよう」と促し正方形・長方形・L字型・三角形など自由に形を変化させて学びを広げていきます。色々な形のバリエーションをどれだけたくさん描けるか作れるかを存分に楽しんでほしいと思います。
④ 図形面積の公式学習
このような学習が進んでいくと面積の単位確認(平方cm、平方m、平方km)、図形の面積を図式化し言語説明ができるようにすること、公式を覚えることに入ります。しかし教室では公式の丸暗記はさせません。しっかりと上記のことを学んでもらい公式の図式化と言葉での説明ができた上で実践計算をさせていきます。覚えてもらう公式の図形は正方形、長方形、平行四辺形、台形、菱形、三角形、円、扇形になります。
⑤ 実生活と面積を結びつける
ものさしやメジャーを使い身の回りのものを測って面積を計算することを行います。例えば机、テーブル、本、ノート、タブレット、枕、テレビ画面など身近にあるものの面積を出す取り組みをしてみましょう。例えば「縦25cm×縦18cm の教科書の面積を計算してみよう。」など遊びの中で学ぶ楽しさを実感し、感覚や興味を育てるのが面積の学びを習得させる早道になります。
6、単位をインプットし単位換算の学習を。
広さを表す単位は①〜⑤までの単位が小学校での長さの基本学習です。⑤〜⑧までは参考程度で構いませんが興味があれば覚えておくと役に立つこともあります。この単位の換算についてはしっかりと学習でおえることが必要になります。
① cm²(平方センチメートル) 1cm × 1cm
② m²((平方メートル) 面積の基本単位
③ a(アール)100平方メートル
④ km²(平方キロメートル) 1,000m × 1,000m
⑤ km²(ヘクタール) 10,000平方メートル(=100a)
⑥ 坪(つぼ) 約3.3平方メート
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