提案『大きさを測る No.3かさ(容積)』

『長さ』(記事はこちら)、『広さ』(記事はこちら)など小学校入学してからの単位学習の記事が続いていますが、今回も小学校2年生での『かさ』という容積学習の記事を記してまいります。先の2つ記事でお伝えしたように子供達の学びは遊びや発達の中で学習の基礎作りを誰に教わるのでもなく自然と行い、学習期に入って知識定着を図る環境に移行することが望ましいのですが、残念ながら現代の子供たちは遊びでの基礎概念を育んでいく環境も乏しく遊びを通して学習土台を作ることができません。親は共働きで時間に追われ難しい。がしかし保育園や幼稚園の理解ある保育環境の先生たちが頑張っておられる園もありますが、中にはそのような環境がない或いは不十分ということも少なくありません。ですから学習期に入って実体験の少ない子供達が知識を詰め込んで点数や評価を受けるというなんとも薄ら寂しい学びになってしまっています。そのことを念頭に入れて再度子供たちがどのようにかさ(容積)の学びを行っているのか、そしてどのように学習に結びつけるべきなのかを提案して参ります。



1、離乳食時期の遊び

子供達を育てていて観察していたらお分かりになると思うのですが、乳児は容器に入った水や飲み物を溢す行動を楽しむ発達があります。つまり0歳から無識のうちに液体を溢しピチャピチャとその液体の状態を楽しむ行動を行います。ご両親にとっては「それはやめて!」という行動でしょうが、それこそ一番初めに出てくるかさ学習に繋がる行動なのです。だからこそ十分にさせなくてはならないと私は考えます。この行動が出てこない乳児もおり、大抵は親御さんがスプーンでお行儀よく食事をさせているか、乳児自身に手掴み環境を与えていないかです。乳児がピチャピチャと遊んでいる場合には手や目からの刺激を受けて脳を動かすようになります。それをさせないのは勿体無くないですか。




2、空け移し行動

この空け移しも是非子供達に行わせるべき行動だと考えます。子供は溢れる感覚を存分に楽しんだ後にしか液量を気にしながら入れ注ぐということに到達します。つまり液体が溢れるや容器を満たす楽しさを経験しなければ次の液量を気に掛けながら適量までを注ぐことが難しいのです。この空け移しは液体量を感覚で理解することに繋げやすい行動の一つです。1歳半前後から先ずはお風呂場で容器にたくさん水やお湯を注いで液量を感覚で捉えて、なおかつモータースキルが上達することを促しましょう。




3、日常の注ぎ行動を促す

空け移しをたくさん行った子供たちはまずモータースキルがかなり発達し、器用に水の入った容器を扱うことができるようになり注ぐことも上手になります。この日常の注ぎで『丁寧に、慎重に』という行動をしっかりと促す必要があります。この丁寧さと慎重さが今後のかさ(容積)学習の鍵になります。よって前段の空け移しが終わりかけの頃に平面張力を意識して親が行い見せるということも意識しておかなければならないことでもあります。この表面聴力を意識させて注ぐ練習を日常の中に取り入れておきましょう。



4、ここまで注ぐを促す

日常の注ぎが上達すれば後は「ここまで注ぐ、このラインまでね」というような透明の容器にラインを引き、意識してそのラインまで注ぐ練習を促します。食事やおやつの時に水やお茶、牛乳・豆乳などの飲み物を子供自身が容器に注ぐ連中を行います。2歳にはこの取り組みがスタートできるようになれば、牛乳パックのような大きな容器から小さな容器に移し替えてコップに注ぐ練習を行い、容器の中に「どれだけの量が入るのかな?」を感覚で捉えることもできればいいかなと考えます。



5、異なる容器を用いて比べる

1〜4まではかさ学習の土台となる遊びを行う内容ですが、ここから少しずつ「かさってなぁに?」という段階に入っていきます。先ず同量が入る大きさの容器を準備し同量の水を注いだり多い少ないと水量を変えたり、大きさや形の異なる容器を用いて液量を比べ直すなどその中にどれだけの水が入るかを比べることを行います。比べることができて初めて次のステージの水量を測ったり目盛りを読んだりすることができます。



6、数字の読み取り

計量カップを用いての数字の読み取りを行いながら、水量を理解する取り組みを行います。多い少ない同じという考えから実数化するために数字を読むことを行います。色々な計量カップがありますができれば子供達が扱いやすいサイズのクッキング用の計量カップが望ましいです。大きな容器ほど多く入るということもしっかりと理解させます。できれば計量カップを使用する料理のお手伝いを促すと美味しいものもいただけるので楽しく学ぶことができます。



7、容積の単位を学ぶ

この段階になると容積とは何かということを言葉で説明し『容積=水を入れられる空間の大きさ』つまり「入れられる量」=容積 であることを理解してもらいます。子供に理解させる場合にはもっと表現を柔らかくした言い方で「このコップにお水を入れてみよう。どれだけお水が入るかな、これを「ようせき」っていうんだよ」と伝えてみましょう。小学校2年生では『容積』という言葉を教えずに『かさ』という言葉を使用します。しかしレッスンでは容積と体積の違いを理解してもらうために敢えて教え使用させています。

その上で単位の学習である L(リットル)、dL(デシリットル)、mL(ミリリットル)、kL(キロリットル)などの単位学習を進めます。またここで重要なのは机上の学びだけでは不十分で必ず実体験を交えた取り組みを行うことを心がけることです。単位換算も含めてこの実体験がなければ想像することもなく学習を進め、数ヶ月後にすっかり忘れてしまっているということが起こるのです。




8、実体験を多く積む

単位学習はただ話して学ぶプリント学習より実際に測ったり比べたりさせると理解が深まります。予想させる と考える力が育ちます。また水量を身近なものに置き換えて液体の入る量(容積)を理解すること、大きさの異なる容器を感覚的に理解する(大きさの異なるペットボトル500mL、1L、2L)などの身近なものでイメージしやすくすることも思考を深め反復学習に繋げることができます。子供達は一度や二度の体験で理解すること真希です。実力をつけるためには繰り返し学び遊ぶ 日を増やすと理解と習得度が高くなります。

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