『SDGs12項 つくる責任つかう責任No.5』

今回取り上げるのはSDGs12「つくる責任 つかう責任」は、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の12番目の目標で持続可能な生産と消費のパターンを確保することを目的としていますが、現代社会では大量生産・大量消費・大量廃棄が主流になり、地球環境や資源に大きな負担をかけています。これに対処するため「作る側」も「使う側」も責任ある行動を取るべきだという考えが込められているのです。この大人も理解し実践することが難しい問題を子供達に教えていかなくてはなりません。ではどこから子供達に教え生活の中に取り込んでいくのかを提案してまいります。

子供達が理解しやすい『使う責任』についてを身近なものを用いて考えさせ実践していきます。

1、食事を残さず食べる

子供達に『つくる責任』や『つかう責任』について話ができるのは年長児以降だと考えます。しかしその年齢に達した時点でこれらの話をすることも必要なことと考えますが、乳児期からSDGsに意識を向けながら育てることは世界的国際的感覚を育てながら育つことになります。人類がこれまでに経験したことのないような課題を抱える中で育つ子供達にとっては必要不可欠なことだろうと考えます。よって乳児からでも働きかけが出来るフードロスを意識した実践は必要です。乳児期から「食事を残さず食べる」ということを身につけておけば、感謝していただくことを身につけることになります。食べ物の命をいただき自分自身の生命を維持することやSDGs2項『飢餓をゼロに』(関連記事はこちら)を理解するまでには年単位の時間を要しますので、先ずは感謝して食事を完食することを行いましょう。

しかし乳児は手で食べ物を掴んで潰して叩いてなどの遊び食べ行ってはじめて自発的に食べるということができるようになります。親御さんにとってはその一場面だけを見ると食事を無駄にしていると考えに至るかもしれませんが、その道を通らなければしっかりと自分で食べることを獲得することは難しいのです。このような乳児の行動は無駄ではなく必要不可欠なものとして受け止めてください。また乳児期から「いただきます」「ごちそうさま」はしっかりと言えるようにしておきましょう。



2、食事の後片付け

二足歩行ができるような1歳数ヶ月では飲食した器やコップ、そしてカトラリー1本だけでも片付けすることを促すことも必要だと考えます。道具なしには食事もままならないことを理解できない年齢でも毎日使用するコップやスプーンを使用することは理解できますから、使用した後は後片付けをしっかりと行うことを教えることも重要だと考えます。自らが使用した食器やカトラリーはキッチンまで持っていく行動は必ずさせましょう。片付けには道具を丁寧に扱うという所作が求められ、特に食事後の食器などは注意を払いながら片付けをしなければなりません。慎重に道具を使う責任というものを幼い頃から追う行動をとることにも繋がります。私は子供に敢えて割れてしまう陶器やガラスなどの食器を与え物を大切に扱うことを実行しました。つまり使う責任を乳児期から実行してきたために行動一つ一つに荒々しさはありませんでした。物を大切に扱うことの意識付けは食事の後片付けを発端に『つかう責任』へと導いてほしいと考えます。



3、欲張らないこと、欲張ることの使い分けを

欲張るという言葉は本来「欲しがること」「むさぼり求めること」であるが現代人は必要以上に何かを欲しがったり、度を超えたものを求めようとする心理が働いて行動しているように感じられる。例えば昨今のファストフードの転売目的の騒動は食を満たすべきものが景品の高値転売を目的とし、食べ物が無造作に捨てられていることが現代人の異常な行動であり異常な欲の象徴ではないだろうか。高額転売で得た金銭はおそらく活きたお金の使い方がされているかと考えると人間の真理は行動と直結しているがために懐疑的だと考えてしまいます。また金銭目的に詐欺や強盗などの犯罪を起こし搾取した金銭で自分自身の欲を満たすということは、欲張ることやもので心を満たすことに焦点を当てたことが問題行動へと導いてしまうことであることを親として自覚することが必要だと考えます。躾や子育てに於いて欲について教えることは食べ物や物を前にした欲については『必要な分だけ取ろう』「分け与えること』『足るを知る』ことを教え、教育上では学問や自分自身のやりたいことに対して真摯に向き合い向上心で貪欲に学びを実行することを教えるべきだと考えています。



4、食品ロスを減らす体験

飽食の時代と叫ばれていた時代から日本人に欠かせない米の価格が高騰した昨今、食料の自給率が低い日本の問題、賞味期限の偽装など食に関することは山積みです。我が家でもコストコの影響が出ておりそのコントロールを行うのに苦戦していますが、必要以上に物を買わないという学びは必要だと考えています。しかし購入したものがあるのであれば最後まで使い切るという意識を持ち冷蔵庫の中を子供と共に一緒に見て「今日は何を作ろうか」「これいつ使おうか」「どうやって使い切ろうか」と考え食品ロスを減らす体験をしてほしいと考えます。料理を行うことによる脳刺激の有効性から考えてもこの食品ロスの取り組みで料理を行うことは大変良い取り組みと考えます。



5、買い物体験で学ぶ

買い物体験を通して長く使える物を選ぶということはもちろんのこと、「地元の野菜」「旬のもの」「好きなもの、苦手なもの」「なぜこれを選ぶといいのか」「見たことのない物を探そう」「食べたことのないものにチャレンジしよう」などを買い物体験を通して知らなかった世界を知る経験や食べ物には賞味期限があることや地位域によって特産物があることなどの産地を知ることも社会に目を向けることになり、その新しい視野が徐々に広がり家庭から身近な世界、そして国を超えて世界的な視野を学ぶことに関心が向いてくれることを願い実行し会話を楽しいでほしいと考えます。

また子供達にとっては理解が難しいかもしれませんが商品を買うときに「エシカル消費」を意識することも少しずつ説明しておくことも必要かと考えます。児童労働や不当な低賃金で働くことなく公正な取引がなされている人や社会配慮や地域への配慮、環境配慮がなされた消費行動のことです。

他にマイバッグやマイボトルを使ことやリサイクル商品を選ぶこともまたSDGsに即した行動になります。



6、長く使う、壊れたら直す、譲る(リユース)を実践

昔の人はものを大事に使っていたという話はよく耳にしますが先日コストコで家電を見て説明を受けていると、アメリカと日本の消費感覚の違いが異なることを改めて認識しました。日本は家電が故障すると一旦修理することを想定していますが、アメリカ文化では故障すると新しく購入するという感覚が強いのだそうです。ヨーロッパではいろいろなものが修理補修が行われリメイクなどの文化も発達していますが、まだまだアメリカは消費大国なのでしょう。限りある資源をまもるために物を大切に使い、壊れたら修理する、不要なものはリユースするなどの考え方も小さなうちから身につけさせるべきだと考えます。おもちゃがどのようにできているのか、修理を自分でできるのか、使える物を捨てたらどうなるのか、リメイクできる方法はあるのかなど考えさせることが重要です。

先日切ない訴えをしてきた生徒さんがおられました。「大好きなうさぎちゃんのお洋服があげられちゃった。悲しいの」と。小さくなったお洋服をお譲りになったとのことでしたがお子さんにとっては想い入れのあるお洋服だったのでしょう。お洋服がまた誰かのために活躍できることや小さな子供が喜んできている様子を想像させ、好きだったお洋服をもらった子供もまた好きになるかもしれないと想像させてみるのも良いでしょう。誰かのために役に立っていると思えるだけで幸せな気持ちになる子育てを行えると心に優しい種を蒔けるのではないでしょうか。



7、ゴミの分別やリサイクルを行う

ゴミの分別やリサイクルの仕分けをはじめは一緒に行い、慣れてきたらその仕事を責任を持って行うということで我が家では仕分けのみならずゴミ捨てまでをお手伝いとして実行させました。燃えるものもえないもの、リサイクルできるもの、資源ごみ、粗大ゴミなどごみの分別が環境にどのような影響を与えているのかなどの理解が進みます。



8、 一緒に「作る・直す」を体験

『つくる責任』を親子で料理やお菓子作りを行うときにはエシカル消費を意識した材料や地産地消や旬な材料を使用すること、買い物に行かれる時などにエコバックやマイバックを使用するなど考慮してつくる前からの行動にも配慮を行うことが望ましいと考えます。またDIYで小さな家具(椅子、棚、おもちゃの車やロボット、ドールハウスなど)で構想からなるべくリサイクルや環境にやさしい材料や道具を使用するなど限りある資源や環境への配慮などを考えながらものづくりを行う導きが必要だと考えます。

食材がどこから来たのかを話しながら一緒に料理やその他の物作りを行うことの他に、余った材料の再利用を考えることや料理をした 後の最後の後片付けの中にも配慮をしてこそのSDGsではないかと考えます。物を作る側の責任、作る大変さ、物を大切にする、物を最後まで使い切るなど学んでほしいと考えます。



9、小さな役割で責任を持たせる

ある程度の年齢に達したら「小さな役割を決めて責任をもって実行する」ことを親子で話をしてみることをお勧めしています。1歳半以降にできることといえば、オムツ変えの前に自分で新しいオムツを持ってくることや使用済みのオムツをゴミ箱に捨てる役目、飲んだコップをキッチンに持って行き、2歳からはペットボトルと缶の仕分けができます。年齢相応にできることをご家庭の中で決め手の役割を持たせ責任もって行動することを実行してもらうことも必要ですが、最低限でも「自分が使ったものは自分で片付ける」「自分のものは大事に使う」といったルールを身につけさせるべきだと考えます。



地球の限りある資源を守るため、気候変動や環境汚染を抑えるため、そして未来の世代も豊かに暮らせるようにするために子供達には身近な食べ物やおもちゃなどを用いて体験を取り入れる 料理、修理、買い物、ごみのリサイクルなどの役割で「責任」を肌で感じ、親子で対話を大事にすし疑問に感じたことを質問したり調べたりしながら考えさせ、SDGsが身近な自分ごとにして生活の中に浸透させていってほしいと考えます。

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