スナップ『熊手のように手指の発達』
乳児の手指の発達はかなり貴重な発達です。単なるモータースキルの発達だと考えになると大変勿体無いもの。寝返りが打てるようになると写真の生徒さんのように畳や床に指先を当ててカリカリと引っ掻くような動きが出てきます。指先を使用しての動きではありますがこの動きをたくさん出させなければ、熊手掴みの動きは出てきません。
指先の小さなカリカリ運動をたくさん行った後は指と指の間を大きく広げてものを掴もうとするようになります。この時の手の様子を『熊手掴み』と言います。熊手には清掃用・農具・空手の技など4つほどの意味がありますが、私は縁起物である熊手の幸運や金運をかき集めるという意味を意識して、『子供達にこれからの人生のありとあらゆる幸運を自分の意志で取りに行きなさい』という思いを心の中で念じながら願いその様子を見守っています。
下の写真は生徒さんがお母さんの差し出したビニール袋を取ろうとして右手を「パッ」と広げている様子です。
掴んだ後はしっかりと握って感触を確かめています。
お母様のバックを見つけ、ポビットターンできびすを返し熊手を繰り出しています。この時に何が起こっているかといえば、①バックを見つけたと視覚で捉え、②触りたい手にしたいと意欲が芽生え、③脳から手へと指令が下り、④行動を起こす、⑤手に触れとることができると触覚認知が起こります。このような段階を経て様々な発達が同時に共鳴し合いながら発達成長を遂げていくことになるのです。
この時期は乳児の目の前にあるものをどんどん増やし視覚認知を促し、成長に応じた距離を取り移動を促すことがずり這いを促すことにもなります。ずり這いやハイハイをしない子供が増えていることは私からするとあらゆる宝物をみすみす指の間から溢れ落とさせているようなものです。
カリカリ運動、熊手掴み、ポビットターン、ずり這い移動を思いっきりさせましょう。これらの取り組みによって多くの副産物を獲得することができます。
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