提案『SDGs4項目 質の高い教育をみんなに No.8』

子供達に学ぶということや教育について話を進めることは幼い頃から必要だと考えます。就学前は存分に遊んで学習の取り組みはさせたくはないという意見も耳にしますが、いきなり学習をスタートさせると子供達は自由に思いのまま過ごしていた環境からいきなりの強制に入るので、勉強嫌いになる子やできないと感情的に怒ったりやる気をなくしたりします。特に勝ち負けで子供を育てた場合には学習にもその意識が向けられ、友達と切磋琢磨して学ぶという感覚よりも友達と自分との優劣をつける方向へ進んでしまうことがあります。今回の記事は子供達に公平な教育、質の高い教育とは何かを幼児期からどのように伝えるのかを提案して参ります。

前回の提案記事『SDGs4項目 質の高い教育をみんなに No.7』の概要についても併せてお読みください。(記事はこちら

幼児に公平な教育(SDGs4項)を伝える方法

子供に『公平』という言葉の意味は、特定の人を不当に優遇したり、逆に不当に不利に扱ったりせず、バランスのとれた判断や扱いをすることを指します。しかし幼児にこの言葉の意味を理解することは難しいことであるため、身近な体験、簡単な言葉、理解しやすいツールの使用、みんなと共に学ぶことの喜び、そして自分の学びの成長を感じさせることからスタートします。では早速考えてみましょう。

① 身近な体験で伝える

幼児は抽象的な言葉や話を理解することは大変難しいのです。よって言葉で理解するのではなく「実際に行動させる」活動が理解へと繋がります。

お友達とおもちゃを一緒に使う場合には、《みんなが使えるようにすること》が公平の第一歩ですからそのことを理解できるように考えさせる必要があります。例えばブロックなどの分けられるものであれば、「ブロックをみんなで使うにはどうすればいいかな?」と思考を促し、分けて使うことを気付かせたり、遊具使用などの分けることができない場合には公平に使うためにはどうすれば良いのかを考えさせ、順番に使うことを理解させ譲り合うということも含めて教え導きましょう。

その他に絵本を読む時間に子供達全員がみんなが見えるように位置を調整し合うことも必要です。自らが絵本見たさに立つと後ろのお友達が見えない可能性があると配慮できるように育てることが教育ではないでしょうか。



② 簡単な言葉で説明する

幼児は年齢だけではなく絵本の多読や言葉の習得により理解度の幅が広いため、状況説明が文章化で表現できない場合はできるだけ端的な言葉で伝える必要があります。

例えば「皆んなが勉強できるって素敵だね」「戦争で幼稚園に通えないお友達もいるんだよ」「世界には 鉛筆やおもちゃが 無いお友達もいるんだよ。「だから 自分の物を大事にしようね」など繰り返し伝えるようにします。

一方で状況説明が文章化できる場合には、具体的に詳しい説明をして理解を促す方法がより素行を深めるチャンスになるので実行してみましょう。



③ 絵本や動画を使う

幼児は視覚重視の子供が多く写真や絵本、子供向けドキュメンタリー動画などのツールを使えば言葉だけよりも内容理解が進みます。例えば「アフリカの学校はどんなところ?」「北欧の子どもは外でどう遊ぶ?」など視覚情報はイメージが残りやすく、子どもの興味を引くポイントにもなります。

一方で状況説明が文章化できる場合には、具体的に詳しい説明をして理解を促す方法がより素行を深めるチャンスになるので実行してみましょう。写真、絵本、動画で視覚的に捉える体験を作るようにします。



④ みんなが学ぶってうれしいという気持ちを育てる活動

幼児の学びは学習というよりもお友達との関わり、自分自身の感情コントロール、礼儀作法などを含んだ躾の面も重要になります。例えば「友達がちが困っていたら 手伝ってあげる、寄り添ってあげる」、また友達との関わりの中でお話を聞いてあげたい自分お意見を相手に伝えることも必要であり、一緒に遊んだ後は共に片付けるなどの強力を身につける経験も必要になります。学びやすい環境づくりを自然と作ることができるような促しも必要になります。



⑤ 自分もできると感じさせる

幼児は「できた!」という体験や経験でで大きく成長します。鉛筆や絵本を大切に使うことができた、困っている友だちに優しく声掛けをしたり手助けできることができた、遊ぶ場所や道具を分け合うことができたなど全てが「皆んなで学べる世界をつくる」行動になります。公平な教育は皆んなで仲良く学べるように導きます。



小学生に公平な教育(SDGs4項)を伝える方法

幼児は写真、絵本動画などのツール、遊び中心で楽しく知る促しで公平はどのようなことなのかを理解させますが、小学生になると身近なことに焦点を当てて考えを促します。低学年は生活の違い比較、簡単なストーリーから学ばせ、高学年は理由(歴史・環境)に少し触れ理解をさらに深まるよう促します。

① 身近な勉強に焦点を当てる

「みんなが勉強できるってどういうこと?」と質問を投げかけます。学校や塾で学べることや習い事ができることから公平に学ぶことはどのようなことなのかを考えさせます。子供が自分の立ち位置について考えることができたら、視点の幅を広げさせ、世界の状況を考えさせましょう。学校に行きたくても行けない子がいることと同時にその理由はさまざまであることを理解させます。例えば学校にたどり着くまでに時間や日数が掛かる、命の危険にさらされる悪路を通わなくてはならない、お金がなくて行けない、親が教育の重要性を理解せず児童労働させているなど簡単に説明したり、調べ学習をさせることが必要です。



② イラストや写真を使う

世界の学校の写真や動画を通して机がボロボロの教室、椅子だけしかない教室、青空教室、教科書がない子供、ノートではなく石板で学習をしている子供、学校に通えず荷物を頭に載せたり背負って労働する子供などの状況を写真や動画などで視覚的に捉え、自分の学校との違い、自らがいかに恵まれた環境に置かれているのかを感じ取れるようにします。しかし世界にはいろいろな生活があるという多様性を理解させる必要もあり、自らと環境が大きく違い「可哀想だから」と判断するのもまた危険です。可哀想という括りではなく、世界中にいろんな暮らしがあってどれも大切という視点に立てるよう思考を促すことが重要なことです。



 ③ 公平、平等の違いを理解する

子供達には公平と平等の違いを理解する必要があります。大人でもこの言葉の棲み分けを理解せずに、教育現場に無理難題を投げかける方がおられます。平等と公平は明らかに違います。


平等とは・・・皆んなが「同じもの」や「同じ量」をもらうこと=「皆んな一緒」

例えば、皆んなに同じ教科書が配られる、同じ大きさのりんごを1つずつ配るなど一律に与えられることを平等と言います。


公平とは・・・一人ひとりが必要なものを「必要な分だけ」もらうこと=「必要に合わせる」

同じでなくても、みんながちゃんとできるようになる状態にすることを指します。

例えば皆んなと同じ給食がある。でもその子供は食物アレルギーがあるため原因となる物を除いた給食が提供されることは、その子の必要性に応じて対応することなので公平となります。

もっと踏み込んだ説明をしても良いでしょう。背の高い子も低い子も同じ高さの台に乗ることは平等です。がしかし背の低い子供は黒板が見えないままかもしれない。これは不公平です。よって背の低い子供には高めの台、高い子には低い台、必要ない子には台なしということを行えばバランスが取れ、全員が黒板を見ることになり公平が保たれたことになります。

4年生以降の子供には皆んな違うし、必要なものも違う。必要なものが違う人に同じものをあげても困ったままである。だから「困っている人が困らないようにすること」が公平であるという考え方を伝えることもものの見方捉え方の幅を広げることになります。またここで重要なことは公平と平等の両方を大事にすることで、皆んなが気持ちよく過ごせるようになること伝え理解することが重要です。


④ 子どもに問いかけて考えさせる

小学生で能力を伸ばすことに必要なことは思考をより深く促すということです。

「もし教科書がなかったらどう思う?」「もし学校まで2時間歩かないといけなかったら?」など自分ごととして捉え思考させます。しかしなんの知識もない状態では思考することはできません。いかにさまざまな情報を獲得しているかが深い思考に結びつくのです。さまざまなジャンルの本を多読していることももちろんですが、今回のSDGsに関するような内容は日頃から時事問題に触れているか否かが鍵を握ります。昨今は新聞を取らないご家庭もあり親御さんが自体が時事問題から遠ざかっておられるので、子供に情報を与えることができない大変乏しい環境が展開されていると感じます。多くの情報を持ちよく思考する子供は国語力も鍛えられますから、話すことも文章にすることもさらに自らの意見を言えるようにも成長します。



⑤ 自分にできることを一緒に考える

世界の子供達の状況を理解すれば文房具の大切さを知り粗末に扱うことも無くなるでしょう。また学びたくても学べない子供達の存在を知れば、恵まれた環境に感謝し勉強をがんばることも、SDGsにつながるはずです。そして何よりも読書の素晴らしさも気づいて没頭することになるかのせいもあります。また自分自身が使ったランドセルを寄付しボロボロのビニール袋に教科書を入れて通学した子供達の役に立つかも知れません。土の上を素足で歩いていた子供達にサイズの小さくなった靴を寄付することもできるでしょう。するとよりSDGsが見えてくるかも知れません。

この幼児から小学校までをしっかりと教育としてこの問題に取り組んでくださると、中学生以降は子供が自発的に世界だけでなく、日本の中でも教育格差があること経済的理由、地域差、障害の有無など)に気付き、「なぜ格差が生まれるのか?」を考えるようになるはずです。「公平にするにはどうすればいいか?」「平等とは何か」など物事を多角的に捉え助け合いや仕組み作りへと視点を移すことができる成長を遂げてくれるはずです。これからの時代は個々としてしっかりとした考え方を持ちながら、協調性を発動しなければ生きていけません。そのように成長してもらうためにも今回取り上げたSDGs4項目 質の高い教育をみんなに 』は重要な物であることを理解しておきましょう。



過去のSDGsの記事については以下の通りです。

提案『SDGsを考える No.1』(こちら

提案『SDGs1項貧困をなくそう No.2 』(こちら

提案『SDGs2項 飢餓をゼロに No.3』(こちら

提案『SDGs16項 平和の種を見つける No.4』(こちら

提案『SDGs12項 つくる責任つかう責任No.5』(こちら

提案『SDGs10項目 人や国の不平等をなくそう No.6』(こちら

提案『SDGs4項目 質の高い教育をみんなに No.7』(こちら

Baby教室シオ

ほんものの学び。今必要な学び。乳児期から就学期までを総合プロデュースする沖縄初の乳児のためのベビー教室です。