絵本『おしりさかな』

「ルッキズム」という言葉をみなさんはご存知だろうか。人の見た目や容姿を基準に、その人の価値や能力を判断したり、差別したりすることを指す言葉です。この絵本が発売されたフランスではルッキズムが社会問題になっており、また子どものいじめ、差別、外見による評価、自己肯定感が大きな問題になって社会的問題視がされています。そしてこの絵本がフランスで出版されると1年で13万部超えの大ヒットとなったのです。

フランスは自由・平等・博愛の精神を理念として掲げているため、表向きは「人種や宗教などにかかわらず、すべての市民は平等」という普遍主義を強く掲げていますが、現実は差別や偏見が存在しています。そしてその社会問題が『おしりさかな』の話とも繋がっています。

『おしりさかな』は、まさに「自分の見た目を気にしてしまう」というところから物語が始まりますが、友達との関係を通して自分のよさを見つけていきます。

この作品はフランス生まれでフランスの社会問題を問う作品でもありますが、我々日本のみならず全世界でのテーマとなりうる重要な主題が描かれています。「自分と違うところを受け入れ、お互いの個性を認め合うことの大切さ」をおしりのように見える魚を通して、見た目だけで判断せず、それぞれの違いや面白さを楽しむことが描かれています。ぜひ楽しんで深いところでの心の育み作品として読んでいただけたらと思います。

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