提案『基礎概念No.3 空間と位置の概要』

1、空間と位置とは何か

空間とはものが存在したり、動いたりできる広がりのことで、自分や物が存在する「場」です。そして「位置」は、その空間の中での「どこにあるか」を表します。

空間=どこに存在できるかという広がり

位置=その中のどこにあるか「ものが、どこにあるのか。

そして、空間と位置は「もの同士がどんな関係にあるのか」を理解することに必要な言葉です。


2、なぜ子供にとって必要なのか

空間と位置を分かるようになると、「自分がどこにいるか」、「物をどこに置くか」、「どう動けばいいか」、「図や地図をどう読むか」が理解できるようになります。空間と位置は、世界の中で自分と物がどこにあるかを理解するための基礎概念です。

例えば、子供は先ず物を一つ一つを認識することから始まります。「ボールがある」「椅子がある」「お母さんがいる」というように一つ一つが独立した情報です。やがて空間と位置を理解すると、そこから「ボールが椅子の下にある」「お母さんはボールがある椅子の上に諏訪ている」というように、物と物との関係を理解するようになります。つまり「位置」は、単独の物を認識する段階から、世界を構造として認識する段階へ進むための基礎概念です。よって「空間と位置」は、単に「上・下」「前・後」「左・右」を覚えるためのものではないのです。子供は、自分の身体 → 周囲の空間 → 物体という関係を理解しながら、世界を操作します。そのため、空間概念は運動能力や手先の操作、生活動作の土台にもなります。



3、自分の身体を使って世界を理解する

空間認識は、身体の動きと非常に深く関係します。「自分の身体を使って世界を理解する」とは、自分の体を感じて身体を動かし、物との関係を感じ、物を動かし、物同士の関係を理解し、位置・方向・距離を言葉で表し、図・地図・座標などの抽象的な空間を理解するという手順で理解していきます。つまりどの子供も自分の身体を使い最初の「基準」にし、周囲の物の位置・距離・方向・動きを体験し、そこから空間の概念を作っていくことになるのです。よって子供に「空間」を教えるときは、最初から「上・下・前・後・右・左を覚えるよりも、先ず「動く・触る・置く・探す・くぐる・並べる」といった身体経験から始めるのが本質的です。


① まず「自分の身体」が基準になる

まず自分の身体を使って位置関係を経験します。例えば、頭は上・足は下、胸は前・背中は後ろ、手は右・左という考えを伝える前に、実際に「手を上に上げる」「しゃがんで下を見る」という身体経験をしています。つまり、身体感覚 → 空間感覚 → 言葉という順番で理解を育ってい供養にします。


② 「自分から見てどこ?」を理解する

次に、身体を基準にして周りの物を見るようにします。例えば、「ボールは自分の前にある」「お母さんは自分の後ろにいる」「おもちゃは右側にある」という理解を推し進めます。必ず

自分=基準、そして物=基準点から見た位置という関係で「位置」を学びます。


③ 身体を動かすことで「距離」を理解する

距離は身体を動かすことで実感でき、体を絶えず動かしながら理解が深まります。例えば、ボールを取りに行くとします。最初は、「ボールがある」との認識だけだったものが、動くことで、「ちょっと遠い」「近づいた」「もっと近づかないと届かない」「手が届く」が理解できるようになります。この理解がしっかりとできてはじめて、単位への学習を移行することができます。


④ 「動く」と「空間」の関係を理解する

身体を動かすと、「前に進むと、物に近づく」、「後ろに下がると、物から遠ざかる」、「右に動くと、物が左側に見える」といった変化を経験します。このような経験を通して子供は、自分の動きによって物との位置関係が変わることを学びます。これは非常に重要です。空間は静止した場所ではなく、自分が動くことで関係が変化するものだと理解できるように促します。


⑤ 「物を動かす」ことで世界を理解する

自分自身だけでなく、物も動かすことで「物と物の間にも位置関係がある」ことを理解します。ここで「空間」が少しずつ抽象的になっていくため、しっかりと手を動かして、体を使ってものと物との間の位置関係を理解できるよう経験を多く積ませるようにします。例えば積み木は多く実践すればするほど空間と位置の関係を理解できるようになります。積み木をすればするほど実力をつけ、機会が少なければかなり厳しい状況に置かれます。子供の中には積み木を感覚で捉えるだけの場合もありますが、上に置く、下に置く、横に並べる、中に入れる、外に出す、前に置く、後ろに置く、重ねる、離すなど必ず言語化できるように仕上げておきましょう。


⑥「 身体」と「物」の関係から「物」と「物」の関係へ

発達の流れとして見ると、非常に面白い理解を促せます。

最初は、「ボールは自分の前にある」という自分から物

次に、「ボールは箱の前にある」という物から物

さらに、「ボールは部屋の右側にある」という物から空間

最終的には、「地図上では東京はここ」「座標(3.5)に点がある」という空間から抽象的な位置へ進みます。


⑦ 「他人の身体」も理解するようになる

「位置は、自分がどこにいるかによって変わって見える」ということを理解します。

例えば「お母さんから見た右はどっち?」という問題で、自分から見た右と、お母さんから見た右は違うということに気付き理解を促します。これは空間認識における大きなステップアップになります。そして最終的には、自分の視点 → 他人の視点 → 地図・図形などの客観的な空間への発展を実践をしながら促します。



4、言葉を正確に理解するため

実は「位置」の概念は、言語にも大量に含まれており、空間概念は言語理解の一部です。よってしっかりと理解しておく必要があるのです。例えば、「机の上に置いて」「箱の中に入れて」「お兄ちゃんの隣に座って」「右の靴を取って」「前を通って後ろに来て」など、これらを理解するには単語を知っているだけでは不十分で、言葉は空間的なイメージを、空間イメージは言葉を結びつける物だと理解しておくことが重要です。



5、数学を理解するため

これは特に重要な項目です。

数学では、図形・長さ・面積・体積・座標・対称・回転・方向・配置・比較など、空間概念を各単元で大量に使います。例えば「三角形」という概念も、単に「三角形という名前」を覚えるのではなく、3つの線がどのような位置関係やその他の特徴をを持っているかを理解する必要があります。

さらに、「2個のりんごがある」という数の概念も、実際には物体を1つ1つ別のものとして空間の中で区別し捉え、やがて集合として認識するところから数の理解が始まります。つまり、数と空間は別々の概念に見えて、初期段階ではかなり密接してい流のです。



6、地図や図を理解するため

成長し学年が上がると同時に現実の3次元空間 → 2次元の図 → 記号という非常に高度な能力変換を学ばなくてはなりません。例えば、「駅は学校の東にある」「この道をまっすぐ行って右」「2つ目の信号を右に、最初の交差点を左折し、300m直進」「日本はどこ?世界地図のどこか」「このグラフの右上は何を表している?」といったことを理解する必要があります。地図は実際の東京」を「紙や画面上の小さな記号」に変換するなど空間と位置の概念を十分に持っているとが理解へと繋がります。



7、「視点」を理解するため

さらに重要なのが、『3、自分の身体を使って世界を理解する』で先述した通り、自分の位置と他人の位置は違うという理解です。「自分から見た世界」と「他人から見た世界」は違うという非常に重要な視点での概念が生まれます。これは空間認識だけでなく、後に他人の視点を理解する、相手の立場を考える、図形を頭の中で回転させる、地図を読む、他者の考えを理解するといった能力に繋がっていきます。つまり空間・位置の本質は、「自分は世界のどこにいて、物同士がどんな関係にあるのかを理解する」という力です。そして、その上に身体 → 物 → 空間 → 他者 → 地図 → 図形 → 数学という形で、様々な概念が積み上がっていきます。


Baby教室シオ

ほんものの学び。今必要な学び。乳児期から就学期までを総合プロデュースする沖縄初の乳児のためのベビー教室です。