偉人『坂本竜馬』
先週の内向性『ヨハネス・ブラームス』を受けて、今回は外向性の代表格と考える『坂本竜馬』について、これまた勝手に思いを綴ることにする。
前回も述べたようにそもそも外向性と内向性では、脳の構造や遺伝子が異なるのでどちらが優位と考える必要もなく、それぞれの特性を活かしその欠所を補うよう育てることが望ましい。
取分け外向性を持つ人は外界に関心が高く、傍から見ても人とのコミュニケーションを積極的にとる憧れの的である。しかしそんな彼らは少ない刺激ではドーパミンの感受が低く、大量な刺激を必要とするために外界からの刺激を求めるのである。よって会話の中から生まれる情報を覚える短期記憶に優れ、直ぐに行動を起す素早さも持ち合わせているが、一方リスクを取ってまでも行動する無鉄砲さがある。
土佐藩を脱藩してまでも日本の未来をどうにかすべく立ち上がった竜馬は、幕末のヒーローであり、この外向性の中でも突出した進取の持ち主であった。
彼は身分制度が厳しく残る土佐藩の下級武士の次男である。
幼き頃は上級武士の子とのトラブルで寺小屋を一日で辞めることになった。能力のない上級武士との格差を肌で感じた10代を過ごしている。
そんな彼が薩長同盟の仲介、大政奉還の成立に尽力し、明治維新に大きな影響を与えた。
政治的側面と日本初の商社を作り経営手腕も持ち合わせ、他の志士とは一線を隠した規格外の大物である。
もし坂本竜馬が我が子であったらどう育てるか。そう考えただけでハラハラするが、人生何倍も楽しくなるのではないかとワクワクもする。
外向性は活動的で親しみやすい傾向がある一方、落ち着きに欠けルールや原則に縛られるのを事を嫌がるところがある。石橋を叩いて渡る内向的とは真逆で、どのような状況も前向きに捉えリスクを取ってまでも行動する、親としては生命力の逞しさを感じるも心配が尽きないと言わざる得ない。
また時間をかけて物事をじっくり考えたり、落ち着いた状態で人の話を聞くことや読み書きなどが苦手な場合が多いものだが、竜馬はそうではない。
高い学習能力を持ち、様々な情報を積極的に受入れ、優れた判断力で行動し続けた、
猪突猛進で積極的に学びを自分の糧にした人物だったのである。
ではなぜ苦手な傾向のあることを竜馬は成しえたのか。
ここから暫し妄想分析にお付き合いいただきたい。
私の経験で外向性に吐出する子はそんなに多くはない。学校で考えると学年に一人いるか位の貴重な存在である。明るくひょうきんで、会話のテンポも独創的発想も面白い。
がしかし何をするか分からない行動から目が話せない緊張感がある。時にその行動を発達課題として誤解を受けることもあるが、これは指導者としての観察眼で判別が付くものである。
予想だにしない事実が起きるレッスンは、指導者として新たな発見やその子の長短所が見受けられる化学反応の宝庫である。この魅力とも魔力とも取れる人を惹き付ける力は、外向性の最大の持ち味である。
しかし忘れてはならないことがある。この外向性にはリスクを犯してまでも冒険的なことをする無鉄砲さがあることだ。リスク回避をできない年齢だと生命の危機と背中合わせである行動を起しかねない。これが親としては大きな悩みの種である。
脳の構造や遺伝子の関係で変えられないことをまず認知し受入れる必要がある。
幸いにも竜馬は彼を受入れる周りの理解があった。特に竜馬に影響を及ぼしたのは土佐の気質を持つ二人の母と姉と家を継いでほしいと願う年の離れた長兄、そして友人や志士の存在である。
『いごっそう』・・・議論が好きで、新しい事にチャレンジし、気っぷがいい男性
『はちきん』・・・弱音を吐かず我慢強い、活発で生活力がある女性
彼の育った環境は、彼を容認するだけの度量のある人々に支えられ、時代の先端を行く竜馬を後押しをしたと考える。土佐だったから彼が誕生したといっても過言ではない。
ではそんな環境ではない場合どうするか・・・
外向性や内向性を問えない年齢からそれらの課題を想定し、躾をしていくことが重要である。
大凡が外向性の片鱗は寝返りをする頃から見えてくる。私なりのアンテナにかかると精神性が高いという話をお伝えしている。
そしてハイハイをする乳児期に突発的な行動を助長しない方法をお母様にはお伝えしているが、その重要性を認知できないと、2歳頃から冒険的なことをし始めるので手を焼くことは避けようがない。
だからといって回避する方法がないわけではない。2歳頃からその特徴が出はじめたら次の手を打つことになるが、アクシデントも怪我も絶えない。親としてそのことは承知しておき大怪我に繋がらないよう気を付けて頂きたい。
親として心しておくことすべきことは、子が外向性であるという受入れをすること。
ありのままを受入れつつ、生命の危機については毅然と繰返し教えること。
何より子が自らアクセルとブレーキを使い分ける事ができるよう信じていると伝え続ける事だ。
得意な瞬発的思考と判断を熟考に向けることは難しいが、それをカバーする手立てや苦手なゆっくりと学ぶ読み書きは、その子に合う方法で身に付けさせ深めていく方法を取る。
例えば好奇心や興味があることを行っている間は集中しているため、苦手な事をその中に投入して行う。これが第一弾の手立てだ。
次に繰出す方法はその子に合わせた緻密な指導方法が必要となる。
外向性の好奇心や興味の上に内向性の集中力、思考力、判断力を付け加えさせるのだが、そう簡単にはいかない。だからこそやりがいがあるというものだ.
坂本竜馬は外向性をフルに活用して時代を駆け抜けた人物である。
彼に必要だったものは「吠えたな(さわぐな)」という言葉ではなく、風邪を引かない健康管理と火鉢を抱えていても即座に逃げる瞬発力。何よりリスクを回避能力であったに違いない。
0コメント