提案『優しい言葉使いで子育てを』

生まれたての子を前に母が掛ける言葉は優しさに溢れているものです。そして子供の成長と共に掛ける言葉の数も増え、躾上の注意や指示、叱ることもあるでしょう。これまで多くの親子関係を見てきた者としていえることは、親が感情的になればなるほど口調や行動は激しさを増し子供の成長に良い影響は与えません。しかし注意をすんなり受入れる子供の場合には親御さんが丁寧な言葉で育てている傾向があります。

親が強行に出れば出るほど子供は手を焼く子に育ち、厳しい態度で臨んでも丁寧な言葉で注意をしたり叱ることができると不思議と親の気持ちは子供に確りと伝わっています。

今回は優しい言葉で育てることの意味を考えてみましょう。

コロナ禍で昨年から行事に関する飲食を控えていますが、これまで行ってきた中で1歳前後の生徒さんが自ら先に食べ物を口にした後に、お母様に食べさせようと「あーん」と言いながら口元に食べ物を持っていく行動が見受けられます。また母親が痛いといえば手を当てて撫でるなどの行動もします。これらは母にしてもらった優しさが形として現れたもの、別の言い方にすると親の行動の真似をしているのです。

一方こんな出来事を目にした経験があります。とある空港でトランジェット待ちをしているとどこからか日本語が・・・「おまえ、なんで騒ぐんだよ。静かにしろ」とお父さんが娘さんに声を掛けました。5歳くらいのお嬢さんだったように思いますが、お母さんに促され手を引っ張られながらソファーに座ると、お母さんに向かって「さわるな、おまえ」と言い背中を向けたのです。長旅で疲れていたとしてもこれは普段の親子関係なのだと思います。

私の見聞きした光景からも分かるように子供は真似ることができる天才です。スポンジのように周りの大人や兄弟姉妹がすることを見聞きし吸収していきます。

特に子供にとり最初に出会う最も影響があるのが親です。優しい言葉で育てたら子供の発する言葉も優しく行動もそれに準じていき、口にするのも憚られるような言葉や態度で育てたら子供の言葉や行動もそのようになり、親が寡黙であれば子供も寡黙になります。

子供の真似て物事を吸収力は国や人種に関係なくどの子にも平等に備わっている力ですが、その子の置かれている環境によって吸収するものが異なるのです。

では親はどのような行動を子供に見せるべきなのでしょう。

大人は勿論子供であろうとどんな人に対しても丁寧な言葉を使いや接することを見せるように心掛けます。先ず実践しやすいのが挨拶です。ご近所さんに会ったらにこやかな挨拶を交わし、お店のレジで「いらっしゃいませ」と言われたら「こんにちは」と返してみる。「ありがとうございました」といわれたら「さようなら」そんなやりとりを見せましょう。同時にほっこりするような会話があればもっといいでしょう。


その一方で子供が親の意図することと反対のことをするときにはプラス思考で言葉を置きかえたり、全く別のものに視線を移すなどしましょう。例えば子供が椅子の上に立ち上がろうとしていたら「椅子は座るものだから踏み台に立ってみよう。そっちの方がかっこいいね」「椅子に座るあなたは素敵ね」と言う風に言葉でプラスのイメージを持たせるのです。

どうしても子供の行動を注意しなければならないときには、感情のまま叱らずに単純明快な指示を丁寧な言葉で伝えます。「座ってください」「椅子から下りてください」などと。

子供の発する言葉は私達親が思う以上に親の真似をしていることが土台になっています。また親も丁寧な言葉を発することで感情的にならずにすみます。お互いが深く関係して共に成長していくものです。

子供を優しく思いやりのある子に育てたいなら、ご両親がそれなりの言葉と行動を心掛ける必要があるのです。

子供が成長すると共に日々の忙しさでついつい厳しいことを発してしまうかもしれません。私達親も人間です。間違いもあります。だからこそ大きな間違いを起さないように子供を通して母になれたことに感謝し、優しさと丁寧さを持って子育ての喜びをかみしめる必要があるように思います。

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