絵本『きこえる?きこえるよ』

今回は聴覚に働きかけるグランまま社から出版されている絵本『きこえる?きこえるよ』を取上げます。

左上のサブタイトル『The Sense of Hearing』からも分かるように『聴覚』ですから存分にいろいろな音を楽しんで欲しいと思います。

おはようのページなのか、おやすみなのか読み手に想像して欲しいと考え敢えて見開き最初のページは掲載していません。次のページは明らかに目覚めですからどのような音が聞こえてくるのかを想像してみましょう。

私達大人は経験値で音を容易に想像することができますが、経験の無い1歳前後の子供は音を頭の中で思い描くことはできません。よって親が伝えなければ音は出て来ないでしょう。ややもすると音ではなくこれは何だろうと考えたり、知っているものの名前を見つけるなどするでしょう。全ては子供主体です。子供が何かを見つけたらそのことに相槌を打ちましょう。ものの名前が分からない状態で擬音や擬声語をインプットすると間違ったことを覚えてしまいます。先ずものの名前をインプットしてから擬音や擬声を入れることが大切です。

その一方で会話のやり取りができる場合は、ものの名前とそこに付随する音も楽しんでください。

日常に、町の中に、いろいろな経験の中の音の世界が広がっている絵本です。文字が一切ない絵本だからこそ豊かに想像することができるでしょう。また私達大人でも様々な音の世界があることを気付かされる内容に奥深さを感じ考えさせられる作品です。いろいろな表現があっていいと思いますが大きくその表現が逸脱しないように注意してください。

5歳前後で様々な音の表現が出てこなければ聴覚活用を促す必要があります。また視覚的要素から音をイメージすることができるというのは語彙力とも深く関係しています。擬音・擬声・擬態語から音を引き出せるように経験値を上げるように努めましょう。


例えば花火にいろいろな表現があります。手持ち花火なのか打ち上げ花火かでも耳にする音は異なり、打ち上げ花火は打ち上げた瞬間から散るまでに音が刻々と変化します。打ち上げの音、開いたときの音、散るときの音などの違いを頭のどこかでイメージし目を閉じると音がどこからか聞こえてくるような感覚を味わえるようにして力をつけてください。

絵本を見終えて目を閉じ、静けさの中で音を想像するなんて素敵なことだと思いませんか。音の世界を静けさの中で味わってみてください。

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