提案『日常生活の練習・基本運動』

日常生活の練習の背景には運動の敏感期が深く関係しています。運動は外的刺激を受け、脳を経由して身体の各器官を動かし動作が現われます。よって子供自身がどのようなことをどのように行うのかを意識させ動くことがとても重要になります。

私達大人はこれまでの人生経験からある程度の情報を基に想像や見当をつけることができますが、子供はそうではありません。例えば、生き物の鳴き声が聞こえたら、それが何であるかを聞こえる方向へ行き自分自身の眼で耳で時には手にして確認をしなければ理解することができません。よって子供は動きを伴う行動や活動が必要不可欠なのです。

『子供は動きながら学ぶ』・・・このことをしっかりと認知しておきましょう。

その上で学びに必要不可欠な基本運動を身につけさせていくことが重要なのです。

子供が身につけるべき運動は生活動作の中に多く存在しています。一つ一つの動きをしっかりと身につけ磨くことでこれまでできなかったことができるようになり、どのように動けばよいのかを無駄の無い秩序に則った動きを習得させるようにしていきます。

自分自身の身体を動かすことのみの基本運動(立つ、座る、歩く、走る、跳ぶ・・・)の他に道具を用いた基本運動(持つ、運ぶ、置く、絞る、注ぐ、折る、切る、貼る、縫う、摘む・・・)に分けることができ、数多くの取組みを意識して行わせるようにしなければなりません。便利な家電の普及により多くの動作を子供も大人も行う機会を失くしています。大人にとっては便利ではありますが、子供にとって『こういうことがしたい』と思考したときにどのように動けばよいのかを判断することが自らできないことになります。

この基本運動は子供達の自信や能力の底上げに直結しています。子供はそれぞれの基本運動ができるようになるとやる気も同時に出てくる傾向にあり、自ら進んで行動するようにもなり大きな成長を遂げることを認識して過干渉的行動を親は控え、子供の自立を目指すように促しをすることが望ましいといえます。

日常生活の練習には大きく分けて基本運動・社交的立ち居振る舞い・環境への配慮・自己への配慮・運動の調整の5つがあります。『次回は社交的立ち居振る舞い』を取上げます。


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