絵本『じょやのかね』

本年度最後の絵本はこの『じょやのかね』にしようと今年の元旦に決めていました。穏やかな新年を迎えられるといいなと願いを込めて決めていたことですが、まだ戦いは続きそうです。今年も大晦日のお参りは控え、年明けの初詣も三が日を避けて参ろうかと考えています。

混沌とした状況ではありますが、初めて大晦日の夜にお寺参りに出掛ける男の子のわくわくとした気持ちと新年を迎える緊張感が伝わる作品を取上げて邪気を払うこととしましょう。

男の子とお父さんは年越し蕎麦を食した後、いつもと表情の違う真っ暗な夜道をぴーんと張り詰める静寂の中お寺に向かいます。

男の子は「12じまで あと なんぷん?」と新年を迎える瞬間を心待ちにし何度も繰り返します。パチパチと音を立てるかがり火、お坊さんのあげるお経、身体の芯から温めてくれる甘酒、病気や怪我から守る線香の煙・・・大晦日のお参りを彩る音や味、香りが身体に染入るようです。

お父さんと除夜の鐘を打ち鳴らし、お参りをする様子を是非とも絵本を通して味わっていただけたらと思います。モノクロの挿絵が想像をより掻き立ててくれる味のある作品です。

ここから少し余談です。

新年を迎えるための大掃除に始り、門松・しめ飾り・鏡餅を飾り付けたり、御節の準備と行事としてやることが目白押しですが、予定通りに進んだときの大晦日はふとした休息の瞬間でもあります。我が家では大晦日はゆっくりと家で過ごし、年明けの初日の出から新年を始める形ですが、子供が時刻や時間の学習を始めた幼児期にこの絵本の主人公のように冷たい風が吹きつける中大晦日詣出させた経験があります。

午前0時が一年の始まりであり、一日の始まりが暗いという経験をしていないと理解しがたいものです。幼児は目が覚め日が出ている状態が一日の始まりと認識している子が多く、真っ暗な午前0時が一日の始まりであることを理解できていません。よって24時制を学ぶ子供達にとっても大晦日の詣出は良い機会かもしれません。


お出かけの際は感染対策をし短時間でおすませになられますように。

今年の絵本紹介記事はこれで終了ですが、年明けの絵本紹介は1月2日を予定しております。

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