提案『嗅覚の取組』

子供は大人よりもずっと優れた鋭い嗅覚を持っています。味覚と同様に幼児記憶が深く残る特徴があり、危険を感知するだけではなく生活を豊かにしてくれる最も原始的な器官です。

五感の中で唯一嗅細胞、嗅球を介して本能的な行動や喜怒哀楽的感情や気分に結びき、さらに記憶を引き出すことにも結びつきます。私の嗅覚の経験値の例を挙げると昨今はコロナ禍なのでベビーの生徒さんを抱くことはしていませんが、赤ちゃん特有の柔らかな香りが数十年前に抱いた母性をおもいださせてくれます。またスターバックスに行けばコーヒーの香りに癒され心地良くなり、アロマを扱うショップに行けば好きな香りを見つけるためにワクワクします。また県外や国外から那覇空港に降り立つと沖縄の香り、プラザハウスに行けばハワイでの記憶が甦ります。

人それぞれ経験と共にそのときの香りと記憶が結びつき思い出になります。子供達にはこの嗅覚も駆使して人生を楽しんでほしいと思います。


人の嗅覚には4つの役割があります。

1、腐った食べ物や有毒ガスなど危機回避

2、好みのものの香りで心身を癒すこと

3、特定の香りが行動記憶や感情に結びつくこと

4、豊かな感性を磨くための表現の取組み

幼児の体験・経験・行動にはささやかな香りを取り入れることで印象に残り表現の感性が磨かれます。香りを言葉で表現するのは大人でも難しいものですが、先ずは様々な香りに気付かせ微妙な違いを感じ取らせるようにします。そしてその香りを何かに例えようとする思考を生み出すことも表現することの第一歩となります。

私が家で子供と共に実践していたことは、自然界に存在するものを先ず楽しむこと。野に咲く花から葉っぱをちぎり、落ちている石ころまでくんくんと嗅がせました。ある日いつも出会うゴールデンレトリバーのむさしの背中に顔を埋めて二度と撫でようとしなかったという経験もあります。さぞかし強烈な匂いがしたんだろうな・・・と思っていたら「むさし、けもののにおい・・・毛を無くしたら匂いはしないのかも・・・」とあれこれ子供なりに考えていたことが分かりました。今となっては笑い話ですが二十年以上経てもこの記憶は残っているようです。

モンテッソーリーの園に通っていたので嗅覚の取組みの延長線上で自宅の調味料を嗅がせて味見をさせたり、料理中にゲーム感覚で料理名を当てさせたり、何を炒めたり煮込んでいるかなどの遊びも行いました。子供と紅茶専門店へ行き店員さんのお勧めや子供と選んだ茶葉の香りを楽しんでいた時期もありました。

人間の嗅覚はとても原始的です。強烈できつい香りを日々嗅いでいるとほのかな香りなどを感知しずらくなります。できる限り自然な香りやほのかな香り、優しい香りを1つでも多く楽しんで子供達の記憶の引き出しに収めてあげましょう。

Baby教室シオ

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