絵本『みつけたよ』

2001年に出版されたこの絵本はいわさきちひろ氏の絵に文章を書き添えた内容です。

既に1974年にお亡くなりになっているいわさきちひろ氏の作品に、結城昌子氏が素朴な言葉と文章を添えた作品で全てのページを通して連続したストーリーはありませんが、見開き1ぺーじが植物や子供、動物の愛らしさと植物の美しさで表現された短編小説のようです。この絵本を読み込めたお子さんは情感豊かに育っている育っていると明言しておきます。

4月に始まり新年度の4月で終わる各ページは、その季節に咲く花や植物が描かれ如何ようにもそのページを空想することができます。

春になるとチューリップが咲き、7月の初夏にはバラが咲き、秋になるとわれもこうが野菊やススキと乱舞しているようでもあり、冬になるとポンセチアと共にサンタが訪れ、また春が巡り来て1年生になるという内容を楽しむためには経験が重要になります。

この絵本を楽しめない、意味がよく分からないというご意見も耳にしますが、その場合には季節と植物がリンクしないという経験が不足しているということ、そして動物を可愛がったり、小さなものや美しいものへの興味や好奇心、季節や月を通して行事を思考できる経験が不足しているのでしょう。

冒頭に短編小説と書きましたが、読み方を変えると想像力で長編小説にも変化させることができる1冊です。

8月のページでこの絵が出てきますが、えんどう豆に顔が描かれています。女の子は清々しい夏の朝、ぼうず頭のいたずらっ子を見つけます。ぼうず頭のいたずらっ子とはグリンピースのことですからさやから出てくる瞬間を比喩表現で楽しみましょうか、それとも豆ご飯を炊きましょうか、それともグレゴール・メンデルのえんどう豆を研究して発見したメンデルの法則を確認してみようかなどここから先どのようなストーリー展開ができるのかお母様が考えてみてはどうでしょう。それぞれのご家庭でそれぞれのストーリー展開を楽しむのもよいでしょう。皆さんはご存知だと思いますが、えんどう豆とグリンピースは同じ植物です。

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