提案『乳児のリズム遊びは言語獲得の土台』
胎児は妊娠10週までに目・口・耳の器官が作られ、妊娠24週から音を聞き取っています。しかしその音は身体内の血流の音や心臓の音、内臓が活動する低い音でリズム音に近い音です。母親の話す声もこの頃は羊水の中にいる胎児にとってはくぐもった音で細かな音は鮮明に聞き取ることはできていません。
しかし妊娠28週目に入る頃には外の音を聞き分けることができるようになり、母親の声や家族の声を聞き分けることができていると言います。これまでの経験から胎教の奇跡を見せられている私にとっていろいろな胎教方法がある中から胎児に向かっての話し掛けと音楽的環境を整えること、絵本の音読は効果があるものだと確信しています。
今回はこのような胎教を受けてきた乳児のリズム音の獲得が言語獲得に深く関係していることについて話を進めます。
よく言語教育のスペシャリストは「文字のない言語はあっても音の無い言語はない」といいます。私もこの意見に同感で言語の本質は音にあると考えています。また耳の良い人は音楽的センスも外国語の習得能力も高いものです。経験上外国語の習得にはある程度の音感とリズム感が必要です。これは日本語を含めた語学習得には音とリズムが重要で、特に乳児の生活にはリズムを取らせることが母国語習得に効果が高いことを身を持って感じています。
お座りができるようになり両手を放してもバランス良く座れるようになった段階で、テーブルを叩けるようになれば小さな太鼓や空き缶を叩くトレーニングに入りリズム叩きをたくさんしてもらいます。日本語は一つの名詞を音で分けることができます。例えば『りんご』を『り・ん・ご』と音で区切ることができ、それをリズム叩きに置き換えながらトレーニングすることで言語スキルが上がってきます。
このリズム叩きと同様に童謡や手遊び歌などのスローテンポな作品を遊びとして取入れ乳児にも受け入れやすい音楽を楽しむことで刺激を与えます。体を動かすことにより血流が良くなり脳への刺激も増します。寝返りやずり這い、ハイハイなどを促す時期には一定のリズムで体を揺すったり、お母様が手を叩いて這うことを促すことをお願いしています。
リトミックや保育園でのリズム遊びが取入れられているのは、音楽的内容ではリズム感や音感、歌を歌うときの発声が鍛えられますが、身体的面では体の動かし方、反射神経を鍛えることができ、精神性や能力的なことでは集中力、協調性、言語能力が引き出されるからです。幼児期になりリトミックを開始するよりも乳児期の間にその土台を作ることがその先の能力を延ばすことになります。
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