絵本『なきむしおばけ』

子供が小さい頃は兄弟喧嘩はどのご家庭でも見受けられる光景ではないでしょうか。

おもちゃの取り合いをしては泣き、いたずらを仕掛けては喧嘩になり、上の子に着いて遊びに行くといい愚図り、連れて行きたくないと抵抗し、おやつの大きさで喧嘩をしては泣き、先に手を出したのは僕じゃない・・・もう幼児期の頃の兄弟喧嘩あるあるに日常です。

そんな日常の一端にスポットを当てたこの『なきむしおばけ』は子供の心理状態の変化を描いた大変面白い作品です。

おもちゃの取り合いで喧嘩になる日常はよくあることで、泣くことで嫌な気持ちであることを表現できる幼子特有の可愛さもありますが、泣くことでおもちゃを譲ってもらう体験や親が根負けして子供の望むと通りに受け入れてしまう行動は、泣く子供に『泣けばどおにかなる』という間違った思考を植えつける可能性をはらんでいます。

この絵本は『泣けばどおにかなる』という点に着目し、子供の深層心理に深く思考の種を蒔くことができる優れた作品です。泣けばどおにかなるということを学習する前に是非子供に読んであげ、主人公のくんちゃんのように自ら成長する力の育みを促してほしいと考えます。

初めてこの絵本を手にしたのは『月刊絵本のこどものとも』だったような記憶があります。表紙だけを見ると森や林に住んでいるおばけなのかと思って手にしましたが、私の想像をはるかに超えた場所から現われていたのでした。

もしこのおばけが森に住むおばけであれば説得力に欠けていたかもしれない・・・ここから生まれたおばけだからこそ、なきむしおばけに打ち勝つことができたのだろうと納得できる作品です。是非一度読んでいただきたいとおもいます。

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