提案『料理の薦め』

子供と一緒に料理をする夢を抱いておられる小さなお子さんをお持ちのお母様の話を伺うと、命の素である食を大事にしたいという思いに溢れています。子供が口にするものを全て吟味し子供の体を作るために努力をなさっておられることに頭が下がる思いがします。近い将来親子で楽しくキッチンに立てる日が来るといいですね。今回は子育てにおいて相当な魅力に溢れる料理作りが子供の心身の発達にどう関係しているのかを述べていくこととします。

また2022年10月31日『料理で問題解決能力を高めよ』記事も併せてお読み下さい。

1、五感を養うことができる

料理の最大のメリットは同時に五感視覚・味覚・嗅覚・触覚・聴覚を刺激する他に類を見ない取り組みであることです。私自身も子供がハイハイを始める頃から野菜を手にさせ、舐め、齧り、転がしと触れさせることからスタートしました。今ではどんなに忙しくても丁寧に一品作り食すだけでなく、自分自身のリフレッシュのために料理をしているようです。幼い頃から料理をさせていて何が良かったか、それはいろいろなメリットがありますが最終的に行き着くところは、バランスの良い食事を心掛け自分自身の健康を守る意識が育っていたとうことです。

まず料理をする前に食材に触れる機会を設け、手伝いをしながら料理に到達できるよう取り組みましょう。


視覚・・・様々な食材の色や形を認識し、それらが刻々と変化し料理となる変化を視覚刺激で受け止めさせます。また彩りという点を意識させ盛り付けを大事に育ててあげると立体的な刺激も獲得することができます。

味覚・・・それぞれの食材や調味料の味を確認し、料理工程途中での味見や仕上がり後の味を確認することができます。味覚形成については2022年4月18日の『子供の味覚形成』と題し記事を上げていますので併せてお読み下さい。

嗅覚・・・料理をする工程で香りを楽しむことができ、嗅覚の経験値を上げていけば香りを嗅ぐことでどのような食材を使い、どのような調理法で何を作っているかを理解することができるようになります。このような経験をしたことはないでしょうか。夕暮れ時どこからともなく魚を焼く香りやカレーの香り、ニンニクを用いた料理の香りなどを嗅いで夕食は何にしようかと考える。子供にも料理を通して嗅覚の経験をあげることができます。

触覚・・・子供の手の感覚は大人以上に繊細で様々な食材を手にするだけでも刺激を受けます。さらさら・つるつる・ざらざら。つぶつぶ・でこぼこ・べとべと・ふわふわ、硬い柔らかい、熱い冷たいぬるいなどいろいろな感覚を味わってほしいと思います。

聴覚・・・調理は刻々と変化する様子を耳で確かめることもできます。食材を切る音、火加減によって変化する鍋から聞こえてくる音など耳から聞こえてくる刺激も料理の醍醐味なのです。


2、成功体験を積み自己肯定感が育つ

料理は短時間で結果が出るため成功体験が積みやすいものです。幼い時には簡単な作業を行い成功体験を積み重ね、経験値を上げてやがてその小さな作業を統合して一つの料理を作れるようにしていきましょう。幼児期になると一人で何を作るのかを決めて、どのような手順で行うのかを考え、実際に料理を作り食べるという一連の流れを行えるようにすることで達成感を獲得でき自信がつき、それが自己肯定感に繋がります。

また料理を作るために獲得すべきことだけでなく、様々な手先の器用さの獲得や思考力、発想力、味覚形成が育ちます。

3、脳発達に良い刺激となる

五感への刺激と重複するところもありますが、手を動かすことが脳発達に良い影響を与えることは研究からも明らかになっています。実際に本物の道具を扱う前に様々なおもちゃで遊んでからそれぞれの道具の扱いや手先の動きを学んでもらい、本格的に本物の道具を扱うることを薦めています。調理の過程で道具を扱うことの他に、料理を器に盛り付ける思考とテクニックを連動させ、料理をしながら片付けも並行して行います。子供の頃から料理をしながら使った道具を片付けていく同時進行を施行させながら行うことで処理能力を鍛えることができます。

4、好き嫌いが減る

子供の多くは視覚から美味しそうかそうでないかを判断し、見慣れないものに関して手を出さないという危険回避行動が含まれます。食べたことのあるものをその味の経験値から判断することもあり、初見の食べ物がいかに美味しいものであるかを経験することで嫌いなものが減る傾向もあります。しかし好き嫌いの多くは離乳食に関係し、好きなものはよく食べるということで偏った離乳食を与えてしまうことでを好き嫌いを助長する傾向があります。しかし小さな頃からいろいろな食材に触れさせ、食べることができるような工夫をしてあげる親の労力が必要です。また幼児期になり嫌いなものを克服させようとするならば、その食材を用いた料理をさせてみましょう。私の経験では苦手な食材はその食材の持つ味の特徴や食感が希薄な方向から攻めていき、徐々に食材本来の持つ特徴に近づけて行きました。小さな味見を段取り通りに進めることで好き嫌いを減らすことに成功しました。子供自ら苦手な食材を料理することも克服する手段になります。

また食材が手に入るまでにどのような人々が関わっているのか、どのような場所で自然界の中の歯車を知ることで感謝し食事ができるように導いてあげましょう。

5、問題解決能力を育てることができます。

特定の料理を作るときに材料を全て揃えて作ることの学びもありますが、材料が足りない場合に代用を考え料理をしたり、新しいアレンジを加えて実験的に料理をする問題解決能力を引き出すことができるのも料理の魅力です。この力はどの子供にも獲得してほしいもので、アクシデントや失敗に強くなり、自分自身で物事を乗り越える力を獲得できる子に成長します。また料理は毎日することも可能なので何度も問題解決に挑むことができます。

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