提案『愛情を言葉で伝え、満たされる子育てを』

親は子供の衣食住に気を配り健康に育つことを望んで日夜働いていますが、実は子供の心を育てるという点に於いて、思いを伝えるということを上手く表現できないという親御さんは意外と多いものです。みなさん口々にお話しくださるのは、自分自身が大好きだの愛しているなどと言われて育っていないのでどう我が子に表現していいか分からないというのです。共働きの多い沖縄だと時間に追われる毎日でゆっくりと子供と向き合う時間を取るのも難しく、意識が向いていないということなのかもしれません。

しかし子どもにとって「大好き、愛してる、宝もの、可愛い」などと言われることは自己肯定感を育てるためには必要不可欠なことです。一昔前の日本の子育ては厳しい躾が中心でこのような言葉を直接的に言葉にすることは少なかったと思いますが、時代も様変わりし愛情を伝えることの重要性が浸透し、国際色豊かな現代の子供達にとっては『愛されていることを言葉にして育てる』ことがとても重要なことだと感じています。

私の考えでは愛情を伝えるのは妊娠中からで特に出産前の4ヶ月以降はその慈しみの感情を胎児に伝えることが理想だと感じています。なぜなら胎児はある週数を過ぎるとすでに母親の声や外界の音を聞いて育ち、母親も妊娠中に胎児を愛おしいと言葉にすることで母性が育ち、誕生後はスムーズに愛情表現することができ尚且つその後の保育が側から見ていても上手くいきます。教室では妊娠中のお母様方にその愛情表現を言葉にする実践をしてもらい、母親が子供を愛おしくなる思いが増し、子どもへの働きかけが積極的になり愛着形成が自ずと良い方向で実行されていきます。また産後の母乳の出を左右するオキシトシンの分泌量が促され授乳も上手くいく傾向になります。ただただお腹の中の子供に語りかけているだけで、その後の愛着形成が無意識のうちに行えることは一挙両得と言ってもいいもので、当たりくじが目の前にあるようなものなのです。是非ともその幸福感満載のチャンスを間髪入れずに掴み取って欲しいと思います。

昨今では日本でも子どもに直接的に愛情を伝えることが浸透してきているように思いますが、妊娠中の頃から実践している人のパーセンテージはまだまだ低いのではないかと感じています。妊娠中から行って産後は一日に一度はしっかりと向き合って思いを言葉にするだけで親子の結びつきが確信でき、子どもの肯定感も確実に育ちます。人生の経験値が少ない子どもには思いを言葉にし態度で示すことで親の思いを実感することができます。その表現がなく厳しい表現で育てられ、言わないでも親の気持ちはわかるでしょうという理屈では親の愛情が通じるまでに時間がかかり、場合によっては自己肯定感を育てるには難しいことにもなりかねません。

実際に難しい局面に置かれている親子さんの多くが実は子どもに対して「大好き、愛してる、宝もの、愛おしい・・・」などの直接的言葉を子どもに伝えていないことが多く、この切り口から親子の絆を構築し直すことにより問題解決に向かいます。親が愛情をしっかりと言葉にして伝えることで困っていた問題が改善したり、子供の表情や態度が一変することを幾度も目の当たりにしてきました。子供は愛情を直接伝えてもらわないと愛情の枯渇に陥ってしまう可能性があります。その枯渇が原因で問題を起こし困りごとを引き起こすことを親御さんが認知しておかなくてはなりません。決して子供が悪いわけでもなく、親の育て方が悪いのでもなく、ただただ愛情表現ができていなかった、その表現の重要性に気づいていなかったということです。愛情表現をするだけの実にシンプルなことで子供は自分の存在意義を実感することができ自己肯定感が育つのです。決して難しいことではないのです。

愛情表現の実践は子供を産んで初めて行うよりもお腹の中で育んでいる妊娠中から愛情表現をする子育てを行なっていれば、誕生後の子育ては親子共に満たされる方向に舵をきることができます。是非ともに妊娠中から愛情表現の子育てを行い、誕生後の乳幼児にはしっかりと言葉と抱き締めを行なって思いを伝えてあげましょう。泉の如く湧き出る愛情表現をどんどん伝えると子供だけでなく親も一緒に豊かさに満ち足りる時間が増え、満ち足りた瞬間を自覚することができます。

子供に幸せになってほしいと願うのであれば、たった今から豊かな愛情を心掛けてみてはいかがでしょうか。

Baby教室シオ

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