絵本『レオナルド・ダ・ヴィンチの童話』

レオナルド・ダ・ヴィンチは万能の天才であることから多くのことに精通した芸術家でありましたが、彼が童話を描いていたなんてと驚かれる方も多いでしょう。童話といえども私たちが子供に読み聞かせるような童話の形式ではありません。どちらかというと一見散文的な内容に感じるのですが、自然から多くのことを学んだレオナルド・ダ・ヴィンチにとってこの童話の主人公は空や雲、水に空気に石、動物に植物などの自然であり、それらが意思や思想、言葉を持って描かれています。

「人間は創造物の破壊者だ」とレオナルド・ダ・ヴィンチは言葉を残しています。この作品を隅から隅まで読んでいると現代人が直面している自然の脅威を実感し胸に刺さります。現代人が行なってきたことを見透かされていたような気になります。


目の前のことに捉われず何が真実なのかを見極める利口さを持てと鼓舞されているようでもあります。幼児に読み聞かせるには少々難しい作品でもありますが、小学校の高学年で時事問題を学ぶ頃には一読しても良いのではないかと思います。まずは親御さんが読んでみてはいかがでしょうか。

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