スナップ『わたし、集中してるのよ』
今回取り上げるのは1歳10ヶ月の生徒さんの取組みです。手先のモータースキルを身に付けるための教材であるライオンの立髪みに見立てた洗濯バサミを取り外して、ご自身のお洋服に挟み直す楽しさを見つけました。教材から別のものに付け替えるという発想は遊びの幅が広がっていなければできないことです。この遊びの発想の成長に気付く方は少ないかもしれませんが、与えられたもの以外にどこかに挟めないかと自ら考え行動している知恵の出現は本当に見逃してはならない成長です。大いに喜んで「なんて素敵なことをしているの。」と抱きしめてあげてほしいと思います。このようなお子さんの小さな成長の欠片をたくさん発見することが親の幸せの集結となり、どんなに忙しくても落ち込むことがあっても温かな眼差しをお子さんに注ぎ込むことができるのです。
さてここから少し解説に入ります。
彼女が使用しているのは日常で使用する確りとした洗濯バサミです。大人が使用するのは簡単ですが1歳の子供が目一杯の力を入れて握り、洗濯バサミの先をものに挟み込むという行動は想像以上に力も、器用さも、そして忍耐も必要になります。
手に力の入らない場合は早々に洗濯バサミを手放し、力はあるが器用さがなければ挟み込むことができずやる気をなくし、また何よりも重要な忍耐力が備わっていなければす力や器用さがあって少し上手くいかないとすぐに諦めてしまいます。子供にとってこの取り組みは力・器用さ・忍耐の3つの力が上手く働くと次に獲得できる集中力を磨くことになります。生徒さんは次のステージの集中力を獲得するために練習中です。
上記の写真のように洗濯バサミを扱うには指を含めたて手全体に力が入るので握り拳を作るように丸まり、洗濯バサミを挟み終わるとパッと手を開いた脱力が見受けられるようになります。このパッとした開きが小さくなったり、見受けることが少なくなれば洗濯バサミを扱うモータースキルを獲得したことになります。洗濯バサミの取組みをなさっている場合は挟み終わった直後のお子さんの手の動きに注視し、その仕上がり具合と成長を確認してみてはいかがでしょうか。
親子さんの素敵なやりとりを見ながらほんわかしつつ、皆さんにも親子の関わり合いと子供の力の伸ばし方の一端をご紹介することができました。生徒さん親子のように皆さんにも親子で向き合うゆったりとした時間で多くのものを育んでほしいと願っています。
0コメント