提案『手仕事の魅力1』
今年は子供達の手先の強化をさらに進めようと考えており別途具体的な記事掲載も考えています。ただ現実的にレッスンとの兼ね合いで記事用の写真が撮影できた時に限られてしまいますので、先に手仕事についての基本的な考え方から記事を書き進めていきます。
さて年々子供達の手先の動きが不器用になったなと感じています。昔から日本という国はものづくりの国として他国とは一線を画しています。外国人が日本の包丁や美容師がハサミといった刃物や服飾者も日本の良質な生地を求めにわざわざ来日します。また外国人が日本に求めるのは日本の伝統や文化、歴史などの総合的なものの他に、日本人独自の感覚で生み出してきたものの多様性にあると思うのです。例えばお菓子一つをとってもいろいろな味の変化を追求していますが、他国は日本のような多種多様なものは限りなく少ないものです。
このようなものづくり日本の子供達が不器用になっている事実は否めません。今年は去年より一層に子供達の手先の取組みを促す予定でいます。その意識をご家庭とも共有するべく手仕事の魅力を数回に分けて記してまいります。
手指の器用さを獲得するには以下の4つのことを最大限に引き出せるようにしなければならないため桑s区説明をしていきます。
1、物事を理解するためには視覚認知が6割を占めます。
日常で耳にする言葉の中で「見よう見真似」や「猿真似」など人がすることを見てその真似をするという意味合いの言葉がありますが、大人も子供も初めてのことを行う場合は視覚認知を優先させる傾向にあります。特に子供はこの視覚認知が物事を理解するには重要な役割を果たし、最後まで確りと見るということがその行動を取得するには必要不可欠で重要なのです。しかし多くの子供達は実際に行動したいという衝動にかられ最後まで見ることができません。実はこの衝動を抑えることができるか否かが習得の最初のターニングポイントになります。6割を占める視覚認知を最大限に活かすためには確りと見ることがとても重要なのです。
2、実際に手指を動かすことで器用さを学ぶことが2割
手は第2の脳と言われるように手から得られる触覚感覚はさまざまな情報を得るインプットと実際に手を動かして物事を実行しているアウトプットを行っています。これまでの記事を熟読しておられる親御さんは既にお分かりになるでしょうが、インプットとアウトプットが同時にできるのは実は人間の体の中で手だけなのです。だから手仕事というものがいかに重要なものであるかということになります。視覚で得た6割の情報をこの2割の手の動きでインプットとアウトプットを行うことで様々な感覚統合が効果的に行えるのです。先述の視覚認知が準備段階なの対し、この手を動かすことは本番の実行なのです。よって手を動かすことは多くの経験をさせればさせるほどさまざまな能力を磨くことができるのです。日本の伝統的繊細なものづくりとはこの力によって支えられているといっても良いでしょう。
3、教わって獲得するのが1割
昨今は子供に最初から最後まで、そして効率よく何でも教えてしまう親御さんが特に多いような気がします。そして視覚6割から視覚3割にし、教えを4割として実行することになり黄金比のバランスを大きく書き換えています。よって子供達も教えられるまで待つ受け身に徹し、簡単にできる方法を親御さんに催促することも見受けられます。よって自主性が育たない要因となっていることに口惜しいと感じます。しかし本当に子供のためを考えるのであれば必要最低限のことを教えて後は子供の自主性に任せることが重要です。子供達は本来基本を教えられると遊び心を持って「こうしたらどうなるだろう?」「こうしてみようなど」という思考が芽生えます。その結果失敗をしたら次はどうやってみようか、どうして失敗したのかを考えて行動するようになります。また成功すればこれまた同じように次のチャレンジを自ら課すようになります。子供達が自由に動けるようにするためには全てを教え込むのではなく、子供たちの自由な発想で動くことができるハンドルのゆとりが必要不可欠なのです。ですから子供に教えるのは視覚認知時に見せる基本的な教えの行動と煮詰まった時のわずかなアドヴァイス的教えで良いのです。一流の伝統を持つている日本の伝統文化の中には『師匠や先輩の技を見て覚える』という文化が脈々と流れているといいます。そのようにして世界に類を見ない日本の繊細的なものづくりや文化が生まれてきたと言えるでしょう。
4、自ら学んで得ることが1割
厳しい小学校受験を通ってきた子供の中でも本当に光り輝く子は本当に数%しかいません。3、4歳になり慌てて受験を意識し詰め込み式で学習させてもその後は自らの意思で学びを得ている子供になるとは限らないのです。小学校受験をしてもそこには自分自身で何かを学ぶ意欲を育てることが重要です。しかし子供の成長はゆっくりとそしてじっくりと考えるようにできているためあらゆる方法で多くの刺激を与えることが重要です。そして伸びると感じた瞬間に間髪入れずに引き上げるようにすれば自ら学んで得る能力が開花します。それまでには多くの種蒔きと親御さんの働きかけが必要不可欠になります。自ら考える芽を出させるためには、子供の持つ畑を耕し、子供の個性という種を蒔き、あらゆる叡智となる経験や情報獲得のための読書などの肥料や水を与え、親御さんの温かな眼差しと導きとなる日光が必要です。そうして初めて自ら学ぶことができるのです。自ら行っていることに新たな要素を付加する力を養うことこそオリジナリティを生み出す練習になるのです。自ら学んで新たに何かを生む力を得ることの1割を是非とも獲得できるように導いてほしいと考えます。
ベトナムの留学生を受け入れた時に「一生日本のお菓子で生きていけそうな気がする。」それくらい種類が豊富だということを話していました。それは企業側が生み出しているようにも思いますが、実は日本人の中に独創的にアレンジするという能力が備わっているのだと思うのです。伝統を受け継ぎつつも新たな発想で新風を吹き込むことに長けているとも言えるでしょう。
今回は『手仕事の魅力1』と題し記事を書きました。またしばらく手仕事の記事は続きますので毎週月曜日にチェックしてくだされば子育てに活かすことができると思います。
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