提案『クラスの中心にいるNo.1』

先日ふと漏らされたお母様の言葉にどうか子育ての道筋を立ててほしいという思いからこのブログを記すことにしました。親の願いは我が子がクラスの中心にいて楽しく社会的単位の中で充実した時間を過ごしてほしいということでしょう。しかしその親の願いに応えられる子供はそう多くはいませんし、子供それぞれに個性があるわけですから視点を変えて色々な中心があっていいと考えます。

今回の内容は親の考えている『子供がクラスの中心にいること』の是非、そして視点を変え『子供の中心とは何か』についてです。

1、親の考えている「中心にいること」とは

子供が初めて経験する社会性の中で入園や入学を介して殆どの親御さんが思うことがあります。その思いとは「集団に身を置いた我が子がクラスの中でどのポジションにいるのか」ということです。親としてそのことが気になるのは当然のこと、しかし多くの親御さんの願いや望みは「みんなと仲良くやってほしい」「クラスをリードしてほしい」「友達に恵まれてほしい」そして叶うならば「クラスの中心に常にいてほしい」ということです。

その期待とは対極の「クラスの輪からはみ出していたらどうしよう」「一人ポツンと孤立してはいないだろうか」「お友達に迷惑をかけてはいないだろうか」と不安な様子が脳裏を掠めることもあるでしょう。

親御さんは期待や不安が入り混ざった状態で子供を見ることになります。期待は時に過剰にそして不安は時に過敏に親御さんの心を揺さぶります。よって親御さんの理想に子供を近付けたくなるのもです。しかし子供の「ポジション」はひとつではなく、親の理想や期待とは関係のないところで展開されていなければならないと私は考えています。



2、さまざまなポジション

前提として子供の「ポジション」はひとつではありません。クラスの中にはいろんなタイプの子供がおり、必ずしも「中心いる子供」「リーダー的」「人気者」が“良いポジション”ではなく、「ひょうきんで面白くその場の盛り上げ役になる子」「誰にでも優しく接する橋渡し役の子」「一人ひとりと深く付き合うの子」「リーダーの隣で支える影のまとめ役」「穏やかで静かだけど信頼されている子」「あえて集団から少し距離を取り全体把握をする子」「自分を大事にする子」「自分のしたいことを淡々とこなしている子」「誰も見ていないけれど人のために尽力している子」「目立たないけれど確りと係の仕事ができる子」「飼育している生き物に責任を持って世話そしている」「困っている友達を助けずにはいられない子」などわずかな時間で考えただけでもこれだけ列挙することができます。つまりお子さんがどのタイプでもそれは「意味ある役割」を果たしている可能性があります。



3、どの立ち位置にも価値がある

「輪の中心にいる=価値がある」という単純な話ではないということをまずは親が理解し認識しておくべき重要なことであると考えます。

例えば子供がひとり孤立していたとした場合、親は「友達がいない=かわいそう」と考えがちですが子供自身は静かに自分の時間を過ごしたいタイプの子供もいます。その逆でお友達と交わりたいと思っていても交わりたい場合もあるはずです。そこで勇気を出して自分から友達に声を掛ける成長を遂げる可能性も秘めていますし、その状況を見て手を差し伸べる友達もいるかもしれません。そのようにして成長する機会を子供達は経験していくのです。つまり子供達の個性を考えると色々なポジションがあって然りなのです。そしてどのポジションにも良い点も課題点もあり学ぶべきことがあるのです。

そして十分理解してほしい大事なことは、その子らしい「中心の在り方」を尊重し人と関わる力を年齢に応じて育てていくことです。



4、親の理想を押し付けない

子供の個性や特徴をありのまま見ていると子供のポジションが確りと見えてくるはずです。しかし子供を愛するあまり親の良い判断する方向へ子供を導きたくなるのが親です。そして子どものポジションが気になる理由は先にも述べたように愛情があること、そして親御さん自身の経験を通して得た価値観をもって子供をより良い道へ導きたいという思い、また子供自身に社会性が育っているかを目に見える形で確かめたいという思いもあります。よって将来の子供像を想像し協調性やリーダーシップを身につけさせたいと考える方向へ舵をきる親御さんもおられます。どれも子どもによりよく育ってほしいという愛情の裏返しですが、時に親の不安や期待をそのまま子どもにぶつけると子供は「ちゃんとしなきゃ」「怒られたくない」「浮いてはいけない」「友達に同調しなければ」などとプレッシャーを感じてしまうことがあります。つまり無理に親の思いを押し付けたりしない「中心」に立たせようとしないことです。

持ち味は子どもによってポジションが違います。「中心でなければダメ」というメッセージを与えてはいけない子供もいますし、主役でなくても支える人・調整する人・人のために行動できるなどそれぞれのポジションは多様な価値があると子供に伝えることが子供の個性を大きく育てる結果になります。


まとめに入ります。この社会は様々な人が様々な個性を持ち、それぞれが自分のポジションで生きています。子供たちもまた通う保育園、幼稚園、小学校でそれぞれのポジションに立っています。親は子供一人ひとりが自分色を表現できるポジションで生きられるように尊重しなければならず、また指導者や子供の周りにいる大人も子供のポジションを受け入れつつ、一人一人の個性を最大限に引き出し中心に立つ機会を与えなくてはならないと考えています。

次回は子供達一人一人を中心に誘う方法を提案してまいります。


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