提案『クレヨンアート』
教室でクレヨンを持たせるのは1歳の誕生日を迎え椅子に座ることができるようになってからです。乳児の原始反射への働きかけから粗大運動そして微細運動をしっかりと行ってくると1歳の誕生日を迎える頃には椅子に座ることができるようになります。教室ではそのスタンバイができた状態でクレヨンが気をさせます。言葉を数語持ち始めた1歳児にとってクレヨンを持ち描くことは何かを発見することです。そしてクレヨンで描くことがやがて自分を表現することになります。絵画には正解もルールもないからこそ「好きだな」「描いてみたいな」という気持ちを大切にしてクレヨンアートを楽しんでほしいと思います。
クレヨンアートといっても色々なスタイルがあります。今回はそのいくつかを取り上げ提案してまいります。
1、スケッチ
クレヨンといえば画用紙に対象物や風景などを描くスケッチがあります。クレヨンだけでどこまで表現できるかを追求するとすごいことができるのですが、幼い子供達には先ず目に映ることや感じたことをありのまま表現することを行なってほしいと考えます。この作品は我が子が4歳の時に描いた作品で、花が正面を向いたり真上を向いたり、花瓶を置くテーブルに影をつけたりと色々感じながらそして観察しながら描いているんだなと褒めた記憶があります。作品ひとつとってもその子供の成長を読み取ることができます。
2、 はじき絵(絵の具とのコラボレーション)
はじき絵は多くの子供達が保育園や幼稚園などでクレヨンと絵の具のコラボレーションを経験したことがあるでしょう。白い画用紙にクレヨンで絵を描き、その上から水彩絵の具で塗るとクレヨンが絵の具を弾き浮き出てくる楽しさを味わうことができます。以下の作品は金魚鉢を上から覗くという視覚認知の促しを表現させた時のものでこれは5歳になるかならないかの時の作品です。
3、擦り出し(フロッタージュ)
木の葉や、コイン、布、グラスなど家の中にある模様の上に紙を置き、上から軽くクレヨンでこすると下の模様が浮かび上がってくる擦り出しを行うこともできます。
4、削り絵(スクラッチアート)
画用紙に明るめのクレヨンを多用して一面を塗り、その上から黒いクレヨンで塗りつぶします。その上に好きな絵柄を竹串や爪楊枝で削る取るように絵を描いていきます。この作品も我が子が確か小学校1年のもので旅行作で見た光景をスクラッチアートにしていました。花火が上手く描けないとこの作品を描いてから練習していたような記憶があります。
5、クレヨンシーリングスタンプ
シーリングスタンプといえば手紙の封印として使用するものですが、昨今はその愛らしさから色々なスタンプ模様を楽しむ方も多いでしょう。ラッピングのアクセントやクリップの先端につけてアクセントにしたり、様々なものにつけて楽しんだりします。今回はオイルの入っているクレヨンを用いているのでグルーガンで使用するグルースティックを用いいています。
7、色混ぜ
絵の具のように色混ぜをして完璧に一つの色にすることはできませんが、クレヨンはどこかに単色の色を残したり、グラデーションをつけたりと絵の具とは少し異なる色合いにすることができます。と言うことで明日はそのクレヨンの風合いを生かして印象派のクロード・モネの睡蓮を描く記事配信の予定です。
今回は何十年ぶりかに子供の描いた作品を数点引っ張り出してみました。当時の描いている情景を思い出してみると大変懐かしいものでした。子供自身がクレヨンを用いて自分自身の中にあるものを表現することが絵を描くことには重要で、上手や下手ということはまったく関係なく、楽しいワクワクするという感情を大切にして描く時間を間も無くやってくる夏休みに充実させてほしいと考えます。
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